2023 Fiscal Year Annual Research Report
不溶性有機化合物の自在化学変換を可能とする革新的メカノケミカル合成
Project/Area Number |
21H01926
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
久保田 浩司 北海道大学, 工学研究院, 准教授 (60824828)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SIDOROV PAVEL 北海道大学, 化学反応創成研究拠点, 准教授 (30867619)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | メカノケミストリー / ボールミル / 不溶性化合物 / クロスカップリング反応 / 固体反応 |
Outline of Annual Research Achievements |
従来の有機合成では、有機溶媒を用いて溶液の状態で行うことが一般的である。しかし、この方法では溶媒に溶けない化合物は原理的に扱うことができない。本研究では、不溶性化合物は有機反応に用いることができない、という有機合成化学のボトルネックを解決する革新的固体有機合成を確立し、未踏のケミカルスペースを切り拓くことを目的とする。具体的には、ボールミルという粉砕機を用いるメカノケミカル法を活用することで、様々な不溶性基質の固体有機化学反応を検討する。本研究期間では、主な研究成果として、固体状態で進行する遷移金属触媒を用いた高効率クロスカップリング反応(1. Beilstein J. Org. Chem. 2022, 18, 855.2.Angew. Chem. Int. Ed. 2023, 62, e202311531.3.RSC Adv. 2023, 13, 28652.)の開発に成功した。これらの反応は、幅広い固体基質に適用可能であり、特に難溶性化合物との反応も効率良く進行した。またこれらに加え、ポリマー添加による不溶性化合物の固体クロスカップリングの加速効果の発見(Faraday Discuss. 2023, 241, 104.)および固体クロスカップリング反応に特化したオリジナル触媒の開発にも成功した(J. Am. Chem. Soc 2023,145, 6823.)。これらの結果は、溶液系では合成できない新しい機能性材料の合成へと展開していく上で、基盤的な成果であり、今後のメカノケミカル合成のさらなる発展に資するものである。
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Research Progress Status |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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