2023 Fiscal Year Annual Research Report
トリアゾリウムアミデートの機能追究による高難度位置選択的分子変換
Project/Area Number |
21H01930
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
大松 亨介 名古屋大学, 工学研究科(WPI), 特任准教授 (00508997)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 双性イオン / 水素原子移動 / 光触媒 / C-H結合変換 |
Outline of Annual Research Achievements |
双性イオン型トリアゾリウムアミデートの機能を多角的に追究すべく、研究を推進した。R4年度までの研究で、N-ホスフィニルトリアゾリウムアミデートを用いた末端選択的C-Hアルキル化反応については、位置選択性が触媒構造に応答せず、選択性を向上させることが困難であることを示す結果を得た。そのため、よ り構造多様性に富むN-アシル型触媒を活用した触媒開発を行なった。具体的には、有機光レドックス触媒として利用されているアクリジニウムイオンの窒素原子に、アミド窒素を直結させた双性イオン型アクリジニウムアミデートを設計し、この分子が可視光照射下でシクロヘキサンのC-Hアルキル化反応を極めて効率的に進行させることを見出した。例えば、シクロヘキサン(BDE of C-H = 99 kcal/mol)の電子欠損オレフィンへの付加反応が、1 mol%のアクリジニウムアミデートによって定量的に進行した。この結果は、本触媒設計戦略が有望であることを明確に示している。また、分光学的手法と理論計算を組み合わせた機構解析を行った結果、アクリジニウムアミデートとHFIP等の水素結合供与体が会合体を形成することで励起活性種の効率的な発生に繋がっていることを突き止めた。さらに、アクリジニウムアミデートとコバルト錯体を組み合わせることで、種々の炭化水素化合物の脱水素化反応が効率的に進行することを確認した。 一方、アミデート窒素原子上の置換基の構造が異なる触媒を複数合成し、構造の違いがC-H結合切断の位置選択性に影響を与える可能性を検証した結果、立体障害の大小によって選択性が変化する傾向を見出した。
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Research Progress Status |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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