2023 Fiscal Year Annual Research Report
バイポーラ電気化学を基礎とした集積化センシングシステムの構築
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21H01958
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
鈴木 博章 筑波大学, 数理物質系, 教授 (20282337)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | バイポーラ電気化学 / 電位制御 / 電気化学回路 / 金属接続 / 金属置換 / センサアレイ / DNA / 酸素電極 |
Outline of Annual Research Achievements |
バイポーラ電気化学を応用した各種高機能デバイスを実現した。バイポーラ電気化学系はアレイ化が容易である反面、反応を起こすバイポーラ電極(BPE)の精密電位制御が困難という課題があった。これについては既にイオン感応膜をBPE上に形成してその電位により制御する手法を開発済みであるが、集積化に問題があった。そこで、BPEを形成したメインチャンバーとは別に形成した制御用チャンバー中にイオン感応膜を有する電極を形成してBPEとの間に閉じた回路を形成し、BPEの電位を固定する手法を新たに開発した。また、これを基礎に電気化学回路という新規なコンセプトを考案し、新規なポテンショスタットおよびこれを応用したpHスタットを実現した。金属置換型クーロメトリーを行うにあたり、close型バイポーラ電気化学系と3電極系により反応制御を2段階用いることにより、過酸化水素、ポリアミノフェノール等のバイオセンシングで用いられる物質を高感度に測定するデバイスおよび手法を開発した。ここで、レドックスサイクリングにより信号増幅を行えることも示した。従来の3電極系を用いて多数のセンサの集積化を行う場合、配線数の増加、デバイスの動作、信号検出が非常に複雑になる。この問題のためにclose型バイポーラ電気化学は有用であるが、カソード側、アノード側の2液を分離する壁の存在により、集積化できるBPE数に制限があった。そこでBPEのカソード、アノード端を結ぶ部分をリード線で置き換えた。これにより、集積化可能な素子数を顕著に増加させることが可能となった。この構成で、多数のDNAを一括検出するセンサアレイおよびクラーク型酸素電極アレイを作製した。後者については、病原性細菌に対する抗生物質の有効性評価に使用可能なことを実証した。
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Research Progress Status |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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