2021 Fiscal Year Annual Research Report
Development of single-cell mass spectrometry imaging techniques to analyze drug-cell interactions
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21H01962
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
間 久直 大阪大学, 工学研究科, 准教授 (70437375)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 単一細胞解析 / 薬剤 / 質量分析イメージング / レーザー脱離エレクトロスプレーイオン化 / ナノ粒子 |
Outline of Annual Research Achievements |
医学や生物学などにおいて、従来の生体組織単位で平均化された解析では知ることができなかった現象を調べる手法として「単一細胞解析(single-cell analysis)」の重要性が示されている。レーザーイオン化を用いた質量分析イメージング (mass spectrometry imaging; MSI) は生体内の様々な分子の分布画像を非染色で同時に測定できる技術であり、創薬などへの応用が期待されているが、空間分解能が10~100 μmであることから細胞スケールでの観察は困難であった。研究代表者はこれまでにMSIにおけるレーザー光学系を改良し、大気圧下のがん細胞内における色素の分布画像を空間分解能1 μmで得ることに成功した。本研究課題の目的は、大気圧下でのレーザー照射により気化させた試料にエレクトロスプレーで電荷を付与することで検出感度を数桁向上させ、医薬品業界における新薬や新規投薬デバイス開発を高効率化することである。 令和3年度は、レーザーで気化させた試料にエレクトロスプレーで電荷を付与することができるイオン化システムを設計・製作した。質量分析計には、これまでの研究で使用しており、タンデム質量分析(MS/MS)を行うこともできる、四重極-飛行時間型質量分析計(Q-Tof Ultima API, Micromass, UK)を使用した。その結果、薬剤として用いられているカフェイン、およびベラパミルのイオンを安定して検出することに成功した。 検出感度を更に高めるためにナノ粒子を用いたイオン化についても検討を行った。飛行時間型質量分析計(Voyager-DE PRO, Applied Biosystems, USA)を使用して測定した結果、酸化チタンのナノ粒子を用いることで薬剤分子プロトポルフィリンIXのイオン信号強度を9倍に高めることに成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画どおり、大気圧下でレーザー照射を行うことで気化させた試料にエレクトロスプレーで電荷を付与することができるイオン化システムを設計・製作した。質量分析計には、これまでの研究で使用しており、MS/MSを行うこともできる、四重極-飛行時間型質量分析計(Q-Tof Ultima API, Micromass, UK)を使用した。その結果、薬剤として用いられているカフェイン、およびベラパミルのイオンを安定して検出することに成功した。 検出感度を更に高めるためにナノ粒子を用いたイオン化についても検討を行った。飛行時間型質量分析計(Voyager-DE PRO, Applied Biosystems, USA)を使用して測定を行った結果、酸化チタンのナノ粒子を用いることで薬剤分子プロトポルフィリンIXのイオン信号強度を9倍に高めることに成功した。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画どおり令和4年度は、令和3年度に構築したイオン化システムを用いてイメージングを行うためのソフトウェアの作成を行い、まず、人工的なパターンのイメージングを行って空間分解能や検出感度の評価を行う。その後、令和5年度を目処として、人工的なパターンのイメージングを安定して行えるようになった段階で、がん細胞を用いたイメージング実験も行っていく。 紫外レーザーを用いると1 μm以下の焦点を得ることも容易なため、サブミクロンの空間分解能を得ることも可能と考えられるが、高分子のイオン化に従来用いられてきた有機マトリックスの結晶が数 μm以上になることが空間分解能を制限している。一方、波長3 μm帯の赤外線は回折による制約から焦点を約3 μmより小さくすることが困難であるが、マトリックスを添加しなくても水分子などの分子振動に共鳴した吸収を利用して細胞などの試料をイオン化させることが可能なため、マトリックスによる空間分解能の低下を避けることができる。研究代表者は波長2.94 μmで繰り返し周波数1 kHz、パルス幅100 nsの受動Qスイッチ型Er:YAGレーザーを独自に開発しているため、赤外レーザーとエレクトロスプレーのみを用い、マトリックスやナノ粒子を用いないMSI技術の開発も行う。
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Research Products
(4 results)