2023 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21H01965
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
犬飼 宗弘 徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(理工学域), 准教授 (60537124)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
香川 晃徳 大阪大学, 大学院基礎工学研究科, 助教 (70533701)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 固体NMR / 動的核偏極 / MRI分子プローブ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の最終目的は、機能性材料や生体分子の超高感度・高分解能NMRスペクトルを室温で取得できる手法・装置開発と応用である。今年度に主に実施した内容は、共結晶に着眼したトリプレットDNPマトリクスの開発とMRI分子プローブの室温偏極である。 具体的に、共結晶の基本骨格となる超分子シントンに注目した。2種類以上の有機分子から組み上がる共結晶は、超分子シントンと呼ばれる水素結合を基本骨格として組み上がる。カルボキシル基やアミド基のシントンは6角形になり、それぞれ芳香環を有した場合、ペンタセンと形状と長さが近くなるため、置換することで結晶構造中への添加が可能である。本研究では、微量のペンタセンを添加したサリチル酸-ベンズアミド、サリチル酸-ピコリン固アミド、そして3-ニトロ安息香酸-ベンズアミドの合成、及び室温トリプレットDNPに成功した。次に、ターゲット分子としてMRI分子プローブとして利用が検討されている尿素とニコチンアミドから組み上がる共結晶の合成、及び結晶性を維持したままペンタセンを添加することに成功した。約46倍の感度向上に成功し、MRI分子プローブの室温トリプレットDNPに初めて成功した。 当初計画していたトリプレットDNP MAS NMRプローブの開発にも取り組んだものの、MAS NMRプローブ内部の回転機構が不安定なため、安定した実験ができず、有効なデータを入手することはできなかった。一方で、共結晶マトリクスのDNPにより、複数種類の分子の高い偏極を実現することができ、偏極後溶解して溶液NMRを測定する溶解トリプレットDNPのデモンストレーションに成功した。得られた高分解能スペクトルから、固体内の偏極の様子を考察することができた。
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Research Progress Status |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(9 results)