2023 Fiscal Year Annual Research Report
キチンを再生可能炭素・窒素資源として利用するための効率的な触媒反応法の開発
Project/Area Number |
21H01973
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小林 広和 東京大学, 大学院総合文化研究科, 准教授 (30545968)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福岡 淳 北海道大学, 触媒科学研究所, 教授 (80189927)
佐川 拓矢 東京理科大学, 工学部工業化学科, 助教 (90829582)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | キチン / バイオリファイナリー / 触媒 |
Outline of Annual Research Achievements |
キチンを分解して得られるN-アセチルグルコサミン(NAG)を水素化すると、2-アセトアミド2-デオキシソルビトール(ADS)にほぼ定量的に変換される。まずこの化合物合成のスケールアップを行い、20%という実用レベルの濃度かつ10gスケールで反応を実施し収率80%程度で単離することに成功した。 ADSを脱水すると2-アセトアミド-2-デオキシイソソルビド(ADI)に変換できるが、この反応は非常に難しく、ADIを効率的に得る触媒反応は確立できていない。特に、固体触媒によるADI合成は全く進行していなかった。今年度、芳香族リン酸化合物がこの反応の触媒として機能し、例えばフェニルホスフィン酸を用いると、ADIが収率27%で得られた。この結果から、炭素材料にリン酸をC-P結合で結合させれば触媒として機能するかもしれないという固体触媒化の指針を得た。リン酸化炭素はこれまでに事実上報告がなく、材料としても新規性がある。 リン酸化炭素を合成するためにはルイス酸で活性化したリン原子を芳香環に対して求電子攻撃させることが有効ではないかと考えた。このための試薬としては三塩化リンが考えられるが、低沸点かつ極めて毒性が高いため別の反応剤が望ましい。そこで、まず、フェニルジクロロホスフィンを用い、ルイス酸として塩化アルミニウム無水物を使い、活性炭のリン酸化を検討した。その結果、触媒活性の向上が確認され、リン酸化条件の最適化により、さらなる高活性化が見込める。また、合わせて他の固体リン酸材料も調べたところ、低温で合成したCePO4がADIを収率10%で与えることを見出した。 ところで、ADI合成では使用できる溶媒が見つかっておらず、これまで融解条件で反応が行われ、反応制御に困難があった。今回、γ-バレロラクトンなどの環状エステルやイソソルビドを溶媒として使用するとADIが得られることを見出した。
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Research Progress Status |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(15 results)