2023 Fiscal Year Annual Research Report
Modulation of optoelectronic properties of conjugated polymers containing hyper valent heavy elements
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21H02001
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田中 一生 京都大学, 地球環境学堂, 教授 (90435660)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 共役系高分子 / 近赤外 / 発光 |
Outline of Annual Research Achievements |
近赤外光の有用性から、近赤外発光性高分子の開発が近年益々望まれている。ここで近赤外発光を得るには狭エネルギーギャップの電子構造が必要であるが、既存の分子設計では骨格が大型となるため溶媒への溶解性が乏しく、化学修飾が困難であることや高分子化も極めて困難であった。特に、拡張π共役系間の強い分子間相互作用により濃度消光が引き起こされ、固体発光性の低下が起こる。以上、拡張π共役系に基づく既存の分子設計では近赤外発光材料開発は限界を迎えていた。このような状況で、アゾベンゼンホウ素錯体を足場として様々な共役系高分子を合成した。まず、共役系を伸長せずに最低空軌道(LUMO)のみを引き下げ、狭ギャップ構造を実現するという我々が最近提唱している新しい設計指針について、実際に様々な共役系分子・高分子を合成することで、その有効性を実証した。得られた材料により溶解性や製膜性など既存の材料における諸問題を解決することができ、そして様々な機能性近赤外発光性高分子の開発に成功した。ここで、有機化合物で1,000 nm以上の長波長領域で発光を示すものはポルフィリン錯体など一部の分子に限られており、選択肢は少ない。これらの分子は汎用溶媒への溶解性が低く、高分子化することは困難である。そこで上記の成果をもとに研究を進め、最終的には従来の高分子では実現が極めて困難な1200 nm以上に発光極大を持つ高輝度材料の開発に成功した。さらに、元素の特性を活かして新奇の刺激応答性材料の構築を達成した。UV光照射により高分子鎖が分解する反応を見出し、これを利用することで光駆動型の分子放出システムの構築が可能となった。以上、共役系を拡張しない近赤外発光性高分子材料の新しい設計指針の確立に重要な実証データを数多く得ることに成功したことに加え、様々な刺激応答性材料を開発したことから、十二分に成果を挙げることができたといえる。
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Research Progress Status |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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