2021 Fiscal Year Annual Research Report
Construction of inorganic/organic composite biomaterials accompanied with formation of hydroxyapatite
Project/Area Number |
21H02027
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
大槻 主税 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (00243048)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 生体材料 / 複合材料 / 人工骨 / ヒドロキシアパタイト / リン酸カルシウム |
Outline of Annual Research Achievements |
リン酸カルシウム化合物の1つであるヒドロキシアパタイト(HAp)のセラミックスは、特異な生理学的活性を発現する材料であり、骨欠損を補填する人工骨として実用化されている。しかし、HApセラミックスでは自家骨に匹敵する機械的特性は得られていない。本研究では、自家骨に匹敵する機械的特性を持つ人工骨の創製を目指して、無機/有機複合生体材料の新規合成プロセスを探索する。新たに提案する合成プロセスは、HApの生成を行う反応場に、有機高分子を共存させることを特徴とする。複合化プロセスの解明と機械的強度向上への指針の確立、ならびに新規な無機/有機複合材料を構築するための基盤となる学理を開拓する。 2021年度は、無機化合物としてα型リン酸三カルシウム(α-TCP)やHApの粉末を出発原料にすることを想定し、それらを分散させる有機高分子のマトリックスについての検討をとくに進めることとした。マトリックスとして、要求される特性のとして親水性を示すこととマトリックスのカルボキシ基濃度を設定できることを条件に検討を進めた。その結果、バルク重合でモノマーから合成できる親水性の高分子樹脂を主体にすることにした。この親水性樹脂の組成を変えることで無機/有機複合体中のカルボキシ基濃度を変え、無機化合物の粉末を分散させることができた。 HAp核形成を誘起するための高分子の添加について、コロナ(COVID-19)感染症拡大の影響で、関連学会での情報収集や実験での知見の収集が滞り、それらの課題は2022年度に繰り越して行うこととなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
理由 当初計画どおり、2021年度において、α-リン酸三カルシウム(α-TCP)を主体にして、無機化合物としてα型リン酸三カルシウム(α-TCP)やHApの結晶を対象にし、それらを分散させた無機/有機複合材料を得るための、有機高分子のマトリックスについての検討を行った。マトリックスとして、親水性の合成高分子樹脂を主体に進めることには予定通りであったが、HApの核形成を誘起する高分子の検討について、コロナ(COVID-19)感染症拡大の影響で、関連学会での情報収集や実験での知見の収集が滞り、それらの課題は2022年度に繰り越して行うこととなった。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度に滞った情報の収集やデータの収集のための実験条件について、2022年度に繰り越したうえで、内容も焦点を絞って進める。それにより、効率的な学術情報、実験データの収集に努める。さらに2022年度に予定されていた研究計画も候補材料を絞り込むことで、効率的に進め、むやみに実験条件を広げないよう方針を定める。これらにより所期の目的を達成するように進める。
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Research Products
(2 results)