2022 Fiscal Year Annual Research Report
真核生物におけるppGppの機能解明を目指した分子プローブの開発
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21H02075
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
清尾 康志 東京工業大学, 生命理工学院, 教授 (20313356)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
増田 真二 東京工業大学, 生命理工学院, 准教授 (30373369)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | グアノシンテトラリン酸 / 緊縮応答 / リン酸化反応 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度はフォトクロスリンク能を有するppGpp結合タンパク質探索プローブの開発のための合成ルートの探索を行っの結果2'位からカルバモイル基を介してアルキンリンカーを導入したグアノシン誘導体とその3',5'水酸基をリン酸化した化合物について合成中間体として用いるために合成スケールをあげて検討を行った。その結果、上記リン酸化化合物についてイオンペア逆相HPLCを用いることで100mgスケールでの合成を達成した。また、得られた化合物をさらにリン酸化し、グアノシンテトラリン酸化合物合成反応を実施し、目的物と予想される化合物の存在を質量分析により確認した。これらの状況を踏まえ、2023年度に向けて合成中間体の再合成を行い、目的とするppGpp結合タンパク質探索プローブ合成の準備を整えた。 また、ppGppのターゲットタンパク質を解析するにあたり、ppGppの合成量が大きく減るシロイヌナズナ変異体の表現型解析を行なった。具体的には、4つあるppGpp合成・分解酵素遺伝子の完全欠損体を作出しその表現型を精査した。その結果、その四重変異体はppGppの基底レベルがのWTの1/20に減少し、通常条件でもサリチル酸量がWTに比べ増加していることがわかった。このことから、ppGpp依存の葉緑体の代謝制御はサリチル酸を介した病虫害応答と密接に関連している可能性が考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2022年度はppGpp結合タンパク質結合プローブの合成のための鍵中間体であるジリン酸化合物をイオンペア逆相カラムで安定的に精製する方法と原料の再合成を行った。これらの成果をもとにすれば2023年度中にプローブの合成と結合タンパク質探索を予定通り実施することが可能であると見込まれる。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は2022年度に合成した合成原料を用いてppGpp結合タンパク質結合プローブの合成を達成する。また合成したプローブを用いてシロイヌナズナ細胞抽出液からグアノシンテトラリン酸結合タンパク質を同定し、それらの機能を解析する。
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