2023 Fiscal Year Annual Research Report
Evolution of STOP1 system for management of multiple stress tolerance
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21H02088
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
小山 博之 岐阜大学, 応用生物科学部, 教授 (90234921)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井内 聖 国立研究開発法人理化学研究所, バイオリソース研究センター, 専任研究員 (90312256)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | STOP1 / 低酸素耐性 / アルミニウム耐性 / 転写制御 |
Outline of Annual Research Achievements |
STOP1制御システムは植物の環境耐性を制御する重要な転写調節系である。STOP1はジンクフィンガー転写因子で、特異的な配列を認識してDNAと結合する4つのジンクフィンガードメインを持つが、ジンクフィンガー間にフレキシブルな構造を持つ。これに加えて、シロイヌナズナの場合、同種の転写因子に加えてジンクフィンガードメイン間の距離が長いこともあり、柔軟な構造により様々な遺伝子の転写制御に関わると考えられる。従来の研究から、コケ及び高等植物が機能を持つSTOP1を持つことがわかっていたが、多面的なストレス耐性の制御と、STOP1分子の関係が同じであるか否かは不明であった。2023年度は、ゼニゴケにおけるSTOP1制御とシロイヌナズナにおけるSTOP1制御の獲得様式が異なることを明らかにした。 シロイヌナズナのSTOP1は低pH耐性とアルミニウム耐性、低酸素耐性を単一のSTOP1で制御する。これは、①低pH耐性と、陸上適応期が湿潤な環境であり、その時に冠水などでもたらされる低酸素耐性は、共に細胞質の酸性化をもたらすことから共通に制御される。②酸性土壌で問題となるアルミニウム耐性は陸上適応後に獲得した形質であると結論されている。これに反し、ゼニゴケでは、STOP1分子を2分子持ち、アルミニウム耐性を低酸素耐性が、それぞれ独立に制御されることが分かった。この結果は、深刻な環境ストレスである低酸素に対する耐性とアルミニウムに対する耐性を別々に分子改良することが可能であることを示し、今後の分子改良戦略に活用することが期待できる。
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Research Progress Status |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)