2023 Fiscal Year Annual Research Report
二酸化炭素固定化酵素Rubiscoの酸化失活・分解の生理生態学的意義の再定義
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21H02089
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
島田 裕士 広島大学, 統合生命科学研究科(理), 准教授 (80301175)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
冨永 淳 広島大学, 統合生命科学研究科(生), 助教 (20788632)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | Rubisco / BSD2 / 酸化還元 / 酸化ストレス / 光合成 / ガス交換 / 日変化 / ダウンレギュレーション |
Outline of Annual Research Achievements |
Rubisco酸化と作物の窒素利用効率の関係解明:屋外圃場で栽培した複数の作物種を対象にRubisco還元活性化率の日変化を調査した。その結果,Rubisco還元活性化率は午後に低下し,下位葉ほど低い傾向が見られた。これらはRubiscoの酸化が日中の光合成活性低下の一因であること,また,Rubiscoの失活・分解を 介して窒素利用効率に影響を与えている可能性を支持している。 既存の光合成測定法では栽培環境で光合成の日変化を評価することが難しい為、よりシンプルな構成で継続的な光合成モニタリングに適した新たなガス交換測定法の開発をおこなった。市販の光合成ガス交換測定装置LI-6800を用いて既存の測定法と新規測定法を比較した結果、新規測定法は既存の測定法と同等の精度 で光合成と蒸散を計測できることが分かった。また、LI-6800を用いて栽培環境における光合成反応のin vivo活性(Rubiscoの最大カルボキシル化速度)を5分以内に評価する測定系を確立した。 冬季に施設園芸で栽培されるトマト、イチゴ、パプリカ、ヒロシマナ、バナナについてRubisco活性(Vcmax)の日変化および葉身の窒素含量を調査した。その結果、イチゴを除く種においてVcmaxが午後に低下した。高CO2濃度条件でも同様の低下が見られ、通常大気条件に比べるとVcmaxが低下した。また、高CO2濃度条件でVcmaxが低下した種では葉身窒素含量の低下が見られた。以上の結果からRubiscoの酸化によって日中に光合成活性が低下する可能性が示唆された。また、高CO2濃度条件でのVcmax低下や窒素含量低下にRubiscoの酸化が関与している可能性もある。
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Research Progress Status |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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