2023 Fiscal Year Annual Research Report
宿主にとってよそ者であるプラスミド自身が外来遺伝子のサイレンサーを持つ理由の解明
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21H02097
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
水口 千穂 (鈴木千穂) 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 助教 (10733032)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | プラスミド / 核様体タンパク質 / H-NS |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、プラスミドと宿主染色体にコードされるH-NSファミリータンパク質(核様体タンパク質の一種)が協調的に機能するメカニズムを様々なホモログで明らかにすると同時に、各ホモログ間での共通点と相違点を明らかにすることを目指している。2023年度は、2022年度に引き続きH-NSファミリータンパク質の二量体・多量体形成様式の比較を行うため、Pseudomonas putida KT2440株由来のTurBについて構造解析を進めた。さらに、H-NSファミリータンパク質の多様性について知見を得るため、プラスミドにコードされる未知のH-NSファミリータンパク質の探索も行った。 H-NSファミリータンパク質には、腸内細菌のH-NSとアミノ酸配列の相同性は低いものの、大腸菌hns破壊株の表現型を相補できることを主な理由として同定された「機能的ホモログ」が含まれる。これらの機能的ホモログの構造解析から、H-NSファミリータンパク質はアミノ酸配列の相同性が低くても、その構造はファミリー内である程度の類似性があることが示唆された。そこでIncP-1~P-16群のプラスミド(主にPseudomonas属細菌を宿主とする)を集めたデータベースに対し、TurBを含むMvaTホモログの構造をクエリとして、類似構造を持つタンパク質をコードする遺伝子を探索したところ、7つのタンパク質が新規H-NSファミリータンパク質の候補として見出された。現在、これらのタンパク質についてH-NS様機能の確認や、多量体形成能・DNA結合能の解析を進めている。今後、これらの新規H-NSファミリータンパク質をコードするプラスミドの宿主を絞り込み、宿主細胞内でこれらのH-NSファミリータンパク質がどのような役割を果たしているのか解析を進めていく予定である。
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Research Progress Status |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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