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2022 Fiscal Year Annual Research Report

Search for enzymes and regulators involved in structural changes in steroid compounds that support insect molting and metamorphosis

Research Project

Project/Area Number 21H02129
Research InstitutionThe University of Tokyo

Principal Investigator

片岡 宏誌  東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 教授 (60202008)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 永田 晋治  東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 教授 (40345179)
Project Period (FY) 2021-04-01 – 2024-03-31
Keywordsコレステロール / 植物ステロール / エクジソン / エクジステロイド / ペプチド
Outline of Annual Research Achievements

本課題の目的(1)から(3)に従って、2022年度の研究実績を以下に記す。
1)カイコの腸管には植物ステロールからコレステロールに変換する酵素群が存在することが分かっている。植食性の昆虫において、この変換反応が同様に生じているかを検討した。これまで、In vitroの系で、再構築ができているがその効率が非常に低かった。その後、超遠心分離にてミクロソーム画分に変換活性が認められているものの、カラムクロマトグラフィーに供するとその活性が消失してしまうため、補酵素あるいは複合体を形成している酵素であることが予想できた。一方、コオロギを用いた、同様の植物ステロールの変換活性は、これまでにSbovodaにより推定されていた変換反応は認められなかったものの、別経路での変換を示唆するデータが得られた。
2)2021年度では、LC-MS/MSのトラブルにより研究が進まなかった。2022度では、LC-MS/MSの他にもGCMSの利用ができるかを検討した。感度に差があるものの、GCMSによるステロール化合物を得ることができた。一方、世界的なヘリウムガスの供給不足により、GCMSによる分析も滞っていたが、ヘリウムガスの代替ガスを検討しているところ、窒素による系が比較的安定にデータが得られ見通しが立てられるようになった。
3)分析技術に依存している本研究課題は、これまでのLC-MS/MSやGC-MSなどのデータや先行文献値などをもとに、ステロール化合物の代謝および変換経路の中間体を探索することを試みた。ステロール代謝を予想できるような化合物は見出せなかったが、24メチレンコレステロールなど、有力な候補代謝化合物は見出すことができた。構造変換の上位のペプチド性因子に関してはスクリーニングにはいたらないものの、2021年度のデータをもとにゲノム情報の比較により網羅的に抽出できた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

本課題の目的(1)から(3)に従って、2022年度の研究実績を以下に記す。
1)植物ステロールからコレステロールに変換する酵素群については新規の代謝経路を発見することができたが、2021年度に引き続き分析系の障壁により精力的には進められなかった。そのような中で、コオロギを用いた新規変換経路は、GCMSによる低感度の分析でも進められることが分かったため、今後この酵素同定に向けて展開できる段階となった。
2)2021年度では、LC-MS/MSのトラブルにより研究が進まず、LCMSMS装置を修理した。さらに窒素発生装置の故障も発覚し、2022年度まで分析の不具合が生じた。一方、2022度では、LC-MS/MSの他にもGCMSが利用できるようになったが、世界的なヘリウムガスの供給不足により、GCMSによる分析も滞った。しかし、年度の終盤にヘリウムガスの代替ガスを検討しているところ、窒素による系が比較的安定にデータが得られ見通しが立てられるようになった。
3)分析技術に依存している本研究課題は、これまでのLC-MS/MSやGC-MSなどのデータや先行文献値などをもとに、ステロール化合物の代謝および変換経路の中間体を探索することを試みた。ステロール代謝を予想できるような化合物は見出せなかったが、24メチレンコレステロールなど、有力な候補代謝化合物は見出すことができた。構造変換の上位のペプチド性因子に関してはスクリーニングにはいたらないものの、2021年度のデータをもとにゲノム情報の比較により網羅的に抽出できた。

Strategy for Future Research Activity

本課題の目的(1)から(3)に従って、2022年度の研究実績を以下に記す。
1)植物ステロールからコレステロールの変換酵素を主に同定することで展開させていく。同様に、脱皮変態時に認められるエクジステロイドリン酸抱合体の構造同定をはじめ、それに関わる酵素を同定すること目指す。
2)ステロール類の網羅的な体内の構造決定に関しては、様々な昆虫種で進めることとする。それにより、新規なステロール化合物をもとに、昆虫体内でのステロール化合物の代謝経路だけでなく、エクジステロイド、食餌由来のステロイド化合物の消長を網羅的に追跡していくことを目指す。
3)脱皮変態や摂食モチベーションの状態による脳神経系で見出されるホルモン類を明らかにし、それとステロイド化合物の組成変動を経時的かつ組織特異的に追及することとした。
最終年度である2023年度は、これらをもとに総合的に昆虫でのステロール化合物の利用を俯瞰できることを目指す。

  • Research Products

    (10 results)

All 2023 2022

All Journal Article (4 results) (of which Peer Reviewed: 4 results,  Open Access: 2 results) Presentation (6 results)

  • [Journal Article] Characterization and functional analysis of BmSR-B1 for phytosterol uptake2022

    • Author(s)
      Takeshima Mika、Ogihara Mari H.、Kataoka Hiroshi
    • Journal Title

      Steroids

      Volume: 184 Pages: 109039~109039

    • DOI

      10.1016/j.steroids.2022.109039

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] CCHamide-2 Signaling Regulates Food Intake and Metabolism in Gryllus bimaculatus2022

    • Author(s)
      Zhu Zhen、Tsuchimoto Maho、Nagata Shinji
    • Journal Title

      Insects

      Volume: 13 Pages: 324~324

    • DOI

      10.3390/insects13040324

    • Peer Reviewed / Open Access
  • [Journal Article] Different transcriptional levels of Corazonin, Elevenin, and PDF according to the body color of the two-spotted cricket, Gryllus bimaculatus2022

    • Author(s)
      Seike Hitomi、Nagata Shinji
    • Journal Title

      Bioscience, Biotechnology, and Biochemistry

      Volume: 86 Pages: 23~30

    • DOI

      10.1093/bbb/zbab183

    • Peer Reviewed / Open Access
  • [Journal Article] Fatty Acid-derived Chemicals in Insects; Biosynthetic Pathways and Functions2022

    • Author(s)
      NAGATA Shinji、SEIKE Hitomi
    • Journal Title

      Oleoscience

      Volume: 22 Pages: 165~171

    • DOI

      10.5650/oleoscience.22.165

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] フタホシコオロギにおいて肉食性餌として認識される化合物の探索2023

    • Author(s)
      清家瞳、永田晋治
    • Organizer
      日本農芸化学会2023年度大会
  • [Presentation] フタホシコオロギにおける免疫応答に関与するphenloxidaseの同定2023

    • Author(s)
      宮原 佐季、清家 瞳、永田 晋治
    • Organizer
      日本農芸化学会2023年度大会
  • [Presentation] 昆虫種一斉分析によるステロール組成比と食性の関連性2023

    • Author(s)
      南波 竜政、永里 鴻多、永田 晋治
    • Organizer
      日本農芸化学会2023年度大会
  • [Presentation] フタホシコオロギGryllusbimaculatusの神経ペプチドと受容体の包括的アノテーションの事例紹介2022

    • Author(s)
      望月孝子、坂本美佳、清家瞳、祝貞、Zhu Yijun、永田晋治、中村保一
    • Organizer
      日本分子生物学会2022年度大会
  • [Presentation] フタホシコオロギの体色変化を制御するペプチドホルモンの探索2022

    • Author(s)
      清家瞳、永田晋治
    • Organizer
      日本分子生物学会2022年度大会
  • [Presentation] Allatotropin regulates reproduction behaviors by controlling the physiology of the male accessory gland of the twospotted crickets, Gryllus bimaculatus2022

    • Author(s)
      祝貞、永田晋治
    • Organizer
      日本分子生物学会2022年度大会

URL: 

Published: 2023-12-25  

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