2021 Fiscal Year Annual Research Report
機能性食品成分の腸管における標的分子の同定と腸内細菌叢への作用の解析
Project/Area Number |
21H02145
|
Research Institution | Tokyo University of Agriculture |
Principal Investigator |
井上 順 東京農業大学, 応用生物科学部, 教授 (70323962)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石神 健 東京農業大学, 生命科学部, 教授 (70292787)
鎌田 春彦 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所, 医薬基盤研究所 創薬デザイン研究センター, プロジェクトリーダー (00324509)
國澤 純 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所, 医薬基盤研究所 ワクチン・アジュバント研究センター, センター長 (80376615)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 食品成分 / 標的因子 / スルフォラファン |
Outline of Annual Research Achievements |
様々な食品成分が生理作用を発揮することが広く知られているが、その直接の標的因子についてはほとんど明らかになっていない。本研究では、生理作用を有する機能性食品成分の直接の標的を分子レベルで解明することを目的としている。食品成分としては、これまでに申請者がその生理作用について明らかにしてきたスルフォラファン(SFN)およびキサントフモール(XN)を用いた。 結合タンパク質の同定を目的として、SFNビーズを作製した。ビーズ連結の位置決定のため、はじめに構造活性相関を検討し、スルホキシド基側(誘導化しても活性が消失しない)にビーズを連結したSFNビーズをすでに作製した。XNについては現在、構造活性相関を検討し、ビーズ連結の位置決定を進めている。 活性評価には、脂肪酸合成酵素遺伝子プロモーター領域を用いたレポーターアッセイを実施した。ビーズ固定化にはクリックケミストリーを利用した。 上記で作製した食品成分ビーズと細胞抽出液をコンタクトさせ、結合タンパク質の同定を試みた。肝がん由来Huh-7細胞の抽出液を用いた解析では、SFNビーズに特異的に結合する複数の候補因子の同定に成功している。一方で、マウス腸管(上部と下部に分けた)由来の抽出液を用いた場合には特異的な結合は検出されるものの、質量分析での同定には至っていない。現在、SFNビーズと特異的な結合が検出された候補因子について、1)SFNとの結合がその因子の機能に及ぼす影響、2)SFNの発揮する生理作用において、それらの因子との結合がどの程度関与しているかについて解析している。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の目標は概ね達成出来ており、来年度に向けた準備についても進めている。
|
Strategy for Future Research Activity |
XNについては構造活性相関を引き続き実施する。肝臓由来のSFN結合タンパク質については、結合様式の解析および機能への影響について検討を進める。腸管由来のタンパク質に関しては、夾雑物の少ないサンプルを得ることを目的として、腸管由来のオルガノイド細胞からタンパク質を調製し、解析を行う。
|
Research Products
(3 results)