2021 Fiscal Year Annual Research Report
栄養シグナルによる膜交通制御と植物成長最適化機構の解明
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21H02150
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
山口 淳二 北海道大学, 理学研究院, 特任教授 (10183120)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 長緒 北海道大学, 理学研究院, 准教授 (50609724)
高木 純平 北海道大学, 理学研究院, 助教 (80740331)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 環境応答 / 膜交通 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,「膜交通制御による植物の栄養ストレス適応」という独自の視点から植物の優れた環境ストレス応答を支える分子機構を解明することを目指している。申請者らは,糖(炭素,C)と窒素(N)栄養バランスである「C/Nバランス」の乱れに起因するストレス応答制御因子として膜局在型ユビキチンリガーゼATL31を単離し,それまで未知であったC/N応答シグナルの根幹を担う分子基盤を明らかにしてきた。また,C/N応答に関与する膜交通制御因子としてTGN局在型SNAREタンパク質を同定しており,そのユビキチン化修飾を見出している。さらに,C/Nストレスに応答したリン酸化プロテオーム解析から,新たなC/Nストレス応答制御因子の候補を得た。本研究では,こうした知見を基に,翻訳後修飾による細胞内膜交通システムの制御という観点で,植物のC/N栄養ストレス応答機構の解明を目指している。以下4つの研究課題を実施する。 計画 1)C/Nに応じたSNAREユビキチン化の解析 計画 2)C/N応答性輸送体の同定と代謝変動の解析 計画 3)新規C/N応答性膜交通因子の機能解析 計画 4)C/N環境ストレス下における膜交通因子の生理機能解析 当該年度は,TGN局在型SNAREであるSYP61について,C/Nストレス応答における生理機能およびC/Nに応答したユビキチン化変動を明らかにした。また,SYP61がATL31の細胞内局在制御にも関与することを見出した。加えて,リン酸化プロテオーム解析から得られた候補因子の変異株を用いた解析から,新たにC/N応答制御に関わる膜交通因子を同定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題を構成する各実験課題に関して,いずれも進捗が見られた。 先行して研究が進んでいたTGN局在型SNARE SYP61タンパク質については,その機能の新たな一面を明らかにし,論文発表した。
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Strategy for Future Research Activity |
これまで得た知見をもとに,より詳しい解析を進めていく。特に,新たに単離したC/N応答関連膜交通系因子について,その生理機能および分子機能についてより詳しい研究を行っていく。
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Research Products
(8 results)