2023 Fiscal Year Annual Research Report
胞子体型の開葯しない激レア・高ニーズな細胞質雄性不稔性イネの分子基盤解明
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21H02161
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
鳥山 欽哉 東北大学, 農学研究科, 教授 (20183882)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 育種学 / 遺伝学 / 遺伝子 / ゲノム / 植物 / イネ |
Outline of Annual Research Achievements |
Tadukanに由来する細胞質雄性不稔(CMS) /稔性回復(RF系統)について、ミトコンドリアのCMS原因遺伝子の同定とゲノム編集を用いた証明、及び、稔性回復遺伝子のマップベースクローニングを行い、雄性不稔・稔性回復の分子基盤を明らかにすることを目的とした。 CMS原因遺伝子の同定:ミトコンドリアのCMS原因遺伝子としてorf312を発見し、orf312をmitoTALENを用いてノックアウトすることにより稔性が回復することを明らかにして、orf312がCMS原因遺伝子であることを証明した。 稔性回復遺伝子のマップベースクローニング:Tadukanに台中65号を戻し交雑する過程において、稔性のある個体を選抜して、稔性回復系統を作出した。ファインマッピングと全ゲノム塩基配列解析を行い、稔性回復遺伝子(Rf)候補を6個同定し、それらのゲノム断片をクローニングして、相補性試験用のベクターを構築して、CMS系統に遺伝子導入した。その結果、PPR796を導入した際に稔性が回復し、稔性回復遺伝子の同定を完了した。 胞子体型の開葯しない葯のメカニズム解明:減数分裂期から開花期までの葯の切片観察を行なった。葯の裂開に関わるセプタムのギャップが見られなかった。葯のRNA-seqを行ったところ、呼吸鎖複合体I、IIのサブユニット遺伝子の発現が低下していた。これより、ORF312がミトコンドリア呼吸鎖複合体の機能を阻害することで活性酸素種の蓄積量が低下して、葯組織でプログラム細胞死が起こらないため葯が裂開しないという仮説が考えられた。
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Research Progress Status |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(10 results)