2022 Fiscal Year Annual Research Report
Clarification of crosstalk between ABA signal transduction and optical response on anthocyanin and sugar accumulation in grape berries
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21H02182
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
近藤 悟 千葉大学, 大学院園芸学研究院, 特任研究員 (70264918)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池浦 博美 島根大学, 学術研究院農生命科学系, 准教授 (10440158)
齋藤 隆徳 千葉大学, 大学院園芸学研究院, 助教 (20753479)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 糖濃度 / ABA代謝 / ABAシグナル伝達 / NDGA |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は以前に、ブドウ樹全体に赤色あるいは青色光のLED照射を行ったところ、内生ABA濃度については赤色LED照射区は青色LED照射区に比べて高かったが、アントシアニン濃度および関連遺伝子であるVvMybA、VvUFGT の発現は青色光照射区で高くなり、内生ABA濃度と一致しなかったことを観察した。そのため、今年度は糖代謝に及ぼすアブシジン酸シグナル伝達とノルジヒドログアヤレチン酸 (NDGA) 処理の影響について、ブドウ’巨峰’を供試し検討した。 ABA生合成の阻害剤であるNDGA処理は、13C安定同位体を取り込ませた葉中の13C光合成産物の果房への移動を有意に減少させた。対照的に、ABA処理区では無処理区と有意な差はなかった。 NDGA 処理区において果皮中のフルクトースとスクロース濃度は、無処理区と比較して、ベレゾーン期に減少した。 NDGA 処理果実におけるスクローストランスポーター (VvSUC12) 遺伝子の発現も有意に減少した。しかし、ABA処理区のブドウ果実では、無処理区と有意な差はみられなかった。ブドウ果実のABAシグナル伝達に関与するSNF1関連プロテインキナーゼ2(SNRK2.6)およびプロテインホスファターゼ2C(PP2C9)遺伝子の発現については、NDGA処理はSNRK2.6発現を減少させ、一方NDGA処理果実では増加した。対照的に、ABA処理区での果実におけるこれらの発現は、無処理区と比較して、有意な差は観察されなかった。これらの結果は、ABA濃度以上にABAシグナル伝達がブドウ樹の葉から房への光合成産物の移動と糖濃度に影響を与えることを示唆する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ABA代謝とABAシグナル伝達との関連性が明らかにできた。
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Strategy for Future Research Activity |
ABAシグナル伝達と糖代謝との関連性を明らかにする。
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Research Products
(2 results)