2021 Fiscal Year Annual Research Report
キクをモデルとした転写制御情報に基づく高次倍数体の高精度遺伝解析手法の開発
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21H02189
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Research Institution | Kazusa DNA Research Institute |
Principal Investigator |
白澤 健太 公益財団法人かずさDNA研究所, 先端研究開発部, 主任研究員 (60527026)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
住友 克彦 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 野菜花き研究部門, 上級研究員 (70391406)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | キク / 高次倍数体 / 遺伝解析 / ゲノム / トランスクリプトーム |
Outline of Annual Research Achievements |
重要花き「キク」は、日本の切り花生産量の4割以上を占める重要な花き園芸作物の一つであるにも関わらず、科学的な知見に基づく効率的な品種の開発が遅れている。同質六倍体というゲノムの複雑さがキクの効率的な育種技術の開発を阻んでいる最大の理由である。高次倍数体のゲノムにおけるアレル特異的な転写を引き起こす機構を明らかにし、表現型値を予測できる遺伝モデルの構築を目指すことを目的として本研究を実施した。 キクの連鎖解析集団を栽培し、花や茎などの形質の表現型データを取得した。同時に、各個体の花や茎などからRNAを抽出し、その配列分析からトランスクリプトームデータを取得した。リードを、キクの二倍体近縁野生種であるキクタニギクのゲノム配列を参照配列としてマッピングし、遺伝子の転写発現量を定量するとともに相同遺伝子のアレル間の配列変異を明らかにした。さらにRNAとゲノムとの間でのアレル頻度の歪みを明らかにするために、配列変異を見出した遺伝子を含むゲノム領域をターゲットキャプチャー法で濃縮し、配列分析を行った。リードをキクタニギクのゲノム配列を参照配列としてマッピングし、ゲノムにおけるアレル間の配列変異を明らかにした。 同質六倍体であることから遺伝解析が困難であったキクの、品種改良を目指した育種研究や遺伝子の効率的な同定などの遺伝解析の高精度化を図るために、キクのゲノム基盤の整備に着手した。先進ゲノム支援の援助を受けてキクのゲノム配列データを取得した。さらに光学マッピングや遺伝地図を利用することで、同質六倍体であるキクの参照ゲノム配列の構築を開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
キクの連鎖解析集団のRNAおよびゲノムの配列データを取得し、遺伝解析のために必要なデータを取得した。さらに解析の高精度化を目指し、先進ゲノム支援の援助を受けてキクのゲノム配列データを取得した。
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Strategy for Future Research Activity |
各アレルの発現量で重み付けした配列変異を遺伝子型情報として用いて遺伝解析を行い、表現型の変化に関連するアレル特異的転写産物を同定する。また、ゲノムとRNAとの間にアレル頻度に歪みを検出し、ゲノム、遺伝子型、遺伝子コピー数、およびエピゲノム情報がアレル特異的な転写を引き起こす機構の一端を明らかにする。キクの参照ゲノム配列の構築を構築する。
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