2022 Fiscal Year Annual Research Report
MAPKカスケードを巡る植物-ウイルス間相互作用の解明
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21H02198
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
兵頭 究 岡山大学, 資源植物科学研究所, 准教授 (80757881)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 植物ウイルス / MAPキナーゼ |
Outline of Annual Research Achievements |
Mitogen-activated protein kinase (MAPK) は広く真核生物に保存され、上流に位置する少なくとも2つのキナーゼ {MAPKキナーゼ (MAPKK) およびMAPKキナーゼキナーゼ(MAP3K)} とともにMAPKカスケードを構成し、分化・発生あるいは環境応答など様々なシグナル伝達系の中枢を担う。これまでに、抗細菌/糸状菌免疫 における植物MAPK経路の重要性は確立しつつある。一方で、重要な植物病原の一つであるウイルス感染の場におけるMAPK経路の役割には未解明な点が多い。本研究は、植物プラス鎖RNAウイルスをモデル系に、植物-ウイルス間相互作用において植物MAPK経路の果たす役割の解明を目的とする。植物では、MAPKカスケードの構成因子は複数の分子種ファミリーを形成し、一部冗長性を持ちつつ特異的なシグナル経路を形成する。昨年度の研究から、red clover necrotic mosaic virus (RCNMV、植物プラス鎖RNAウイルスの一種) 感染に正に関わるMAPKKを同定した。本年度はウイルス感染に関与するMAPK経路に関してさらなる知見を得るため、MAP3KおよびMAPKについて解析を行った。VIGS法によるベンサミアナタバコMAP3KおよびMAPK遺伝子ノックダウン解析より、接種葉レベルでのウイルス感染に正に働くMAP3K遺伝子1つとMAPK遺伝子2つをそれぞれ同定した。MAPKKの場合と同様、ノックダウンによってウイルス蓄積量が増加するMAP3KあるいはMAPK遺伝子は同定されなかった。以上の結果から、RCNMV感染を正に制御するMAPKカスケードが浮かび上がってきた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ウイルス感染を正に制御するMAPK経路の同定に向けて着実に前進しており、概ね順調であると判断される。
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Strategy for Future Research Activity |
ウイルス感染に関わるMAPK経路の理解に向けて、同定したMAP3K-MAPKK-MAPK間の分子間相互作用を解析する。また、ウイルス感染に関与するMAPKカスケードのさらなる同定に向けて、ノックダウン実験を継続する。さらに、MAPK経路下流で働くことが知られている因子に関してRCNMV感染に関与する可能性をVIGS法を用いたノックダウン実験により検証する。
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Research Products
(3 results)