2021 Fiscal Year Annual Research Report
Study of honey bee physiology and social behavior by reconstructing gut microbiota
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21H02213
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
宮崎 亮 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 研究グループ長 (80712489)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 腸内細菌叢 / ミツバチ / 社会性昆虫 |
Outline of Annual Research Achievements |
個々の腸内細菌が宿主動物の生理状態や行動に与える影響を調べるために、主要5種類のミツバチ腸内細菌を培養し、全31通り (腸内細菌無しを含めると32通り) の組合せの腸内細菌カクテルを作製した。このカクテルを無菌ミツバチに投与し、腸内細菌の組合せの異なるノトバイオート個体を作出し、宿主の様々な表現型を調べたところ、腸内細菌の組合せによってミツバチ成体の寿命が変化することが明らかとなった。また、ミツバチの餌 (ショ糖) への応答性を調べたところ、2-5時間の飢餓状態では、腸内細菌の有無によってショ糖への応答性や感受性は変化しないことが明らかとなった。いずれの結果も従来の研究では見出されない新しい結果であり、ここまでの成果を論文としてまとめている。なお、ミツバチへの腸内細菌の投与量はパイロット実験で入念に検討しており、腸内細菌の定着に必要な菌数、および宿主表現型の再現性の高い適切な濃度を確認した上で実験を実施・制御できている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当該年度は、ミツバチ腸内細菌の組合せを自在に変えられる腸内細菌叢の再構築系を確立することができた。本系を用いることで、宿主ミツバチの様々な表現型や生理機能、行動と腸内細菌の関連性を網羅的に調べることができ、本研究の基盤となる技術を構築できたということで、順調に進展していると考えている。また、既にいくつかの表現型をテストし、興味深い結果も得られた。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、腸内細菌叢を任意の組み合わせで再構築し、様々な宿主の表現型への影響を調べていく。特に、ミツバチ間の相互作用や育児行動など社会性昆虫に特徴的な行動を中心に解析し、町内産金との関連性を明らかにする。並行して、寿命等に変化をもたらす腸内細菌の組合せに特徴的な遺伝子発現をRNA-seqで分析し、ミツバチの整理機能や高ぢょう能力に関与する因子のスクリーニングを試みる。
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