2023 Fiscal Year Annual Research Report
根株腐朽病の被害拡大要因の解明―激害化へのターニングポイント
Project/Area Number |
21H02225
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
太田 祐子 日本大学, 生物資源科学部, 教授 (60343802)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松倉 君予 日本大学, 生物資源科学部, 助教 (20883515)
矢崎 健一 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (30353890)
古澤 仁美 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (40353841)
秋庭 満輝 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (50353553)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 南根腐病 / 被害拡大要因 / 小笠原 / 土壌硬度 / 菌糸成長特性 / ジェネット / 気象 |
Outline of Annual Research Achievements |
小笠原諸島の父島および母島の南根腐病被害拡大地と収束地に設置した調査プロットにおいて、気象データの取得、病害調査、土壌調査を行った。被害拡大地においては、新たな衰弱木、枯死木が確認されたため菌株を収集し確立した。被害収束地においては被害は認められなかった。南根腐病菌のジェネット調査においては、被害拡大地においては近接する複数のプロットで広域に分布するジェネットが見いだされ、限られた感染源から拡大した可能性が示された。 土壌貫入計を用いてプロットの土壌深約1mまでの土壌硬度を計測したところ、長谷川式軟らか度(S値)が1.0以下(根系発達に阻害があるとされる)の土壌が、被害拡大地においては土壌深15㎝程度から現れる傾向があった。被害拡大地においては固い土壌層が比較的浅い位置に分布する傾向が見られたことから、根系の発達阻害がおきやすく樹木に水ストレスがかかりやすい可能性が示された。 土壌の総合的な特徴を簡便に捉えることが可能とされている近赤外分光分析を実施し、被害拡大地と収束地の表層土壌のスペクトル分析を行った結果、被害拡大地と収束地の土壌はいくつかのグループに分かれ類型化できる可能性が示唆された。母島の収束地プロットにおいては他のグループと比較して炭素含有率が有意に高いことが明らかになった。被害拡大地全体として炭素含有率が低い傾向が示されたことから、炭素含有率が低い場所では被害が拡大しやすい可能性が示唆された。 被害拡大地と収束地から得られた菌株の菌糸成長特性については大きな違いは見られなかった。 被害拡大地と収束地の代表プロット間の気温については夏季の最高気温が被害拡大地のほうが2度程度高かった。湿度については、冬季及び夏季の最低湿度が被害拡大地のほうが10%程度低かった。被害拡大地のほうが乾燥傾向にあると考えられた。
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Research Progress Status |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] Physiological responses of seedlings to the invasion of brown root rot hyphae differ between semi-deciduous Bischofia javanica Blume and evergreen Rhaphiolepis umbellata (Thunb.) Makino2023
Author(s)
Yazaki K, Kimura SK, Zhang C, Levia DF, Akiba M, Saiki S-T, Ishida A, Kojima M, Takebayashi Y, Sakakibara H, Maruyama Y, Ota Y, Sahash iN
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Journal Title
European Journal of Plant Pathology
Volume: 168
Pages: 147-166
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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