2022 Fiscal Year Annual Research Report
ゲノムワイド関連解析を用いたマツノザイセンチュウの病原性因子の探索
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21H02249
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Research Institution | Forest Research and Management Organization |
Principal Investigator |
秋庭 満輝 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (50353553)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菊地 泰生 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 教授 (20353659)
新屋 良治 明治大学, 農学部, 専任准教授 (30802798)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | マツノザイセンチュウ / 病原力 / GWAS / マツ材線虫病 |
Outline of Annual Research Achievements |
マツ材線虫病はマツノザイセンチュウを病原体とするマツの伝染病である。世界的に極めて重要な病害であるが、未だにマツノザイセンチュウがマツを枯死させる仕組みについては完全には明らかにされていない。本課題では、日本国内から収集された約200系統の野生型マツノザイセンチュウのゲノム配列情報と病原性に関連する表現型形質のデーターを基にゲノムワイド関連解析(GWAS)を実施し、マツノザイセンチュウの病原性に関与する遺伝子群を探索する。 本年度は、前年度に引続き森林総合研究所で保管されているマツノザイセンチュウの保存株からDNA抽出を行い、次世代シークエンサーを用いた全ゲノムシークエンス解析に供した。マイクロサテライトによるgenotypingの結果や分離場所を考慮して供試する株を選択した結果、最終的に約180株の全ゲノムデーターを取得した。これらの株の大部分についてクロマツ苗木に対する接種試験により病原力の評価を実施した結果、病原力が極めて弱いものから強いものまでと幅広い範囲の病原力を示すことが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
解析予定の株の全ゲノムシークエンスの取得と表現系形質(病原力)の評価がほぼ完了していることから、おおむね順調に進んでいるものと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、全ゲノムシークエンスデーターからGWAS解析に必要なSNP情報を抽出する。さらに、ゲノムデーターを基にした集団遺伝学解析を行い、国内のマツノザイセンチュウの遺伝的構造等を明らかにする。表現系形質のデーター収集を完了し、GWAS解析に供する。
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