2023 Fiscal Year Annual Research Report
Constraction of technological foundation for surface utilization of nanocellulose
Project/Area Number |
21H02256
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
寺本 好邦 京都大学, 農学研究科, 准教授 (40415716)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高野 俊幸 京都大学, 農学研究科, 教授 (50335303)
矢部 富雄 岐阜大学, 応用生物科学部, 教授 (70356260)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | セルロースナノファイバー / 物質可溶化 / 金属ナノ粒子 / マルチスケール解析 / データサイエンス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,セルロースナノファイバー(CNF)の社会実装を目指し,CNFの特有の特性を活かした新たな材料コンセプトの開発に取り組んだ。具体的には,CNFの大きな表面積を利用し,異種成分との複合化による性能発現と,機能材料の創出を目指した。研究の主な対象は,難水溶性化合物の可溶化と,銅ナノ粒子を酸化させにくいCNF足場の構築であった。 技術的な進展として,機械学習に基づくマテリアルズインフォマティクス(MI)を活用し,TOCN(TEMPO酸化セルロースナノファイバー)をはじめとするナノファイバーや水溶性セルロース誘導体と複合化した際の溶出挙動の予測モデルを構築した。このモデル化は,難水溶性ゲストの物性や分子特性の影響を理解し,ナノファイバーによる溶解性向上効果を予測するためにおこなった。訓練データとテストデータを用いた分析により,選出された少数の説明変数を用いて,溶出濃度を一定の精度で推定できることが確認された。 また,表面を修飾したCNFをベースとした銅ナノ粒子のインクを開発し,これを紙基板に塗布した後,プレスと真空雰囲気下で低温焼成を行い,焼結した銅ナノ粒子同士が導電性を示すことが確認された。この技術は,低コストで環境に優しい導電性材料の開発に寄与するものである。また,基材である表面修飾CNF上に固定化された銅ナノ粒子は,酸化されにくいこともわかった。 これらの成果は,CNFを活用した新たな産業応用への扉を開くものであり,今後の研究の拡張に向けて重要な基盤を提供した。これらの研究成果を基に,さらなる材料開発とその社会実装を進めることを目指している。
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Research Progress Status |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(10 results)