2022 Fiscal Year Annual Research Report
Comprehensive understanding of lignin-polysaccharide linkages in plant cell walls
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21H02258
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
西村 裕志 京都大学, 生存圏研究所, 特定准教授 (50553989)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺本 好邦 京都大学, 農学研究科, 准教授 (40415716)
高野 俊幸 京都大学, 農学研究科, 教授 (50335303)
吉永 新 京都大学, 農学研究科, 准教授 (60273489)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | リグニン / リグノセルロース / リグニン多糖複合体 / NMR |
Outline of Annual Research Achievements |
植物バイオマスは光合成によって再生産可能な有機資源である。植物の細胞壁は芳香族高分子であるリグニンと、多糖であるセルロース、ヘミセルロースが共存し複合体を形成していて、総じてリグノセルロースと呼ぶ。リグニンと多糖の分離は、植物バイオマスから化成品やバイオ燃料を生産する上で重要である。現行の工業的変換法は、セルロースの取得を優先し、残渣成分(リグニンとヘミセルロースの一部)は熱変性による過分解物としてサーマルリサイクル(熱回収)されることがほとんどである。リグニン-多糖間結合(LC結合)の分子構造と分布を正確に理解することは、バイオマス資源の特性評価、環境負荷の小さい変換法設計の基盤であり、リグニンの高度利用への道を拓く上で不可欠である。 本研究では、未解明であるリグニンと多糖間の共有結合(LC結合)の正確な分子構造、局在、形成過程の理解のための基盤技術開発を行った。LC結合の正確な構造の解析、植物種(針葉樹、広葉樹、草本)による相違点の把握を進め、効率的なLC結合を含むリグノセルロース画分の分画法の開発を進めた。LC結合は、高分子主鎖に対してわずかであり、解明のボトルネックとなっており、効率的な分離方法を開発を進めた。特にエーテル型LC結合、およびエステル型LC結合について、それぞれ検討と分離を進め、2次元NMR法による構造解析によるLC結合の把握をしつつ進めた。またKC結合に関する新たな知見が得られたため、多次元NMR法による構造決定を行い、成果の取りまとめを行った。この基盤技術からLC構造を認識する抗体開発を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の基盤的なLC結合について新たな知見が得られ、この解析と成果の取りまとめを行いつつ、研究を進めている。そのため全体として研究期間を延長するが概ね順調と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
高純度のLC画分の調製が必要であることが判明したため、分離精度とスケールアップを中心に進め、LC結合の基盤的な研究知見の進める。
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Research Products
(16 results)