2022 Fiscal Year Annual Research Report
原生生物ラビリンチュラ類の食物網を介した魚類のDHA蓄積への影響力の解明
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21H02273
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Research Institution | Konan University |
Principal Investigator |
本多 大輔 甲南大学, 理工学部, 教授 (30322572)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菊地 淳 国立研究開発法人理化学研究所, 環境資源科学研究センター, チームリーダー (00321753)
柏山 祐一郎 福井工業大学, 環境情報学部, 教授 (00611782)
辻村 裕紀 地方独立行政法人大阪府立環境農林水産総合研究所(環境研究部、食と農の研究部及び水産研究部), その他部局等, 研究員 (30880885)
今井 博之 甲南大学, 理工学部, 教授 (40278792)
桑田 晃 国立研究開発法人水産研究・教育機構, 水産資源研究所(塩釜), 主幹研究員 (40371794)
長井 敏 国立研究開発法人水産研究・教育機構, 水産技術研究所(長崎), 主幹研究員 (80371962)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 海洋生態系 / 原生生物 / 環境DNA / ラビリンチュラ類 / ドコサヘキサエン酸(DHA) |
Outline of Annual Research Achievements |
魚類のDHAは必須脂肪酸として食物連鎖を通して供給されていると考えられている。一 方,海洋に普遍的に存在する原生生物ラビリンチュラ類は,DHAを生合成することで知られ、魚類のDHAの大本の供給源になっている可能性 が示唆されている。特に研究代表者らは、ラビリンチュラ類の中でも,アプラノキトリウム類は生きている珪藻スケルトネマを捕食することを明らかにしたため、この系統群を中心としたラビリンチュラ類の現存量と多様性の把握から、三陸沖での海洋生態系における影響力について考察することを目的とした。2022年度までに、2021年7月、10月、2022年1月、3月、5月にサンプリングを実施し、釧路沖から仙台東方500kmまでの調査海域における6定点で、-10m、-200m、-1000m、-3000mの各層において、次世代シーケンサーによる18S rDNAの網羅的解析を行った。その結果、アプラノキトリウム類の分布と塩分の低い親潮域海水と珪藻類との相関が観察され、アプラノキトリウム類が環境中でも珪藻類を捕食して栄養源としている可能性が高いことが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本課題の2022年度終了時には、定量PCR法によるラビリンチュラ類、特にアプラノキトリウム類の細胞数推定を環境DNAから実施できるように技術開発をすることを計画していたが、より精度の高い方法の報告があり、これを適用するために繰越を実施したが、その後、順調に検討が進み、細胞数推定ができるようになったため。
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Strategy for Future Research Activity |
定量PCR法による細胞数推定の検討が進み、2023年度はこれを環境DNAに適用し、ラビリンチュラ類、特にアプラノキトリウム類の環境中での細胞数を定量する。
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