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2021 Fiscal Year Annual Research Report

Mechanism of diploid gamete formation and its application for genetic breeding

Research Project

Project/Area Number 21H02278
Research InstitutionHokkaido University

Principal Investigator

藤本 貴史  北海道大学, 水産科学研究院, 准教授 (10400003)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 西村 俊哉  北海道大学, 水産科学研究院, 助教 (10758056)
田中 啓介  東京農業大学, その他部局等, 助教 (60747294)
黒田 真道  東京農業大学, 生物産業学部, 助教 (70880764)
Project Period (FY) 2021-04-01 – 2024-03-31
Keywords非還元配偶子形成 / クローン / 雑種 / ゲノム倍加 / 倍数体
Outline of Annual Research Achievements

①ゲノム倍加を生じる系統間ゲノムの違い、②ゲノム倍加の分子機構の解明、③雑種由来の二倍性配偶子の育種応用に向けた実証研究の3項目の概要を下記に示す。
①ドジョウB系統の倍加半数体の遺伝子型が完全同型接合であることを確認し、倍加半数体の高分子DNAをロングリードシーケンサーによるゲノム解析に供した。得られたリードデータを用いて、ゲノム構造解析の基盤整備を行った。また、B系統特異的なFISHプローブを開発するとともに、人為的に作出した二系統間雑種でGISHを行った結果、A系統をプローブDNAに用いた場合はA系統由来と推定される染色体の全域が染色されたのに対し、B系統をプローブDNAに用いた場合はB系統と推定される染色体のセントロメア領域が強く染色され、系統間におけるゲノム構造の変異が示唆された。
②クローンドジョウの卵巣をトリプシンやコラゲナーゼ等の消化酵素を用いて細胞を開始した後、メッシュフィルターを通して大型卵母細胞を除去することにより、小型の細胞のみを回収した。これらの細胞を固定後、Vasa抗体を用いて免疫蛍光染色に供した結果、比較的大型の核を有する卵原細胞が確認された。また、FACSによる分析では、Vasa陽性の細胞がDAPI蛍光強度で3種類に分類できることが明らかとなった。一方、生殖細胞の可視化にむけた遺伝子組換えクローンドジョウでは、piwiあるいはvasaのプロモーター領域とEGFPからなるコンストラクトを作製し、これらを顕微注入した遺伝子組換え候補個体の作出を行った。
③サケ科ではイワナ属の種間雑種では受精能を有する半数性の配偶子形成が確認された。他のサケ科雑種に関しては成熟に至らず、現在も継続して飼育している。ドジョウ雑種ではカラドジョウ雌と各系統のドジョウ雄の雑種雄は不妊性を示すことが確認された。メダカ属雑種では、雑種個体を誘起し成熟に向けて飼育を継続している。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

①ゲノム倍加を生じる系統間ゲノムの違い、②ゲノム倍加の分子機構の解明、③雑種由来の二倍性配偶子の育種応用に向けた実証研究の3項目の進捗状況を下記に示す。
①ゲノム構造解析に向けた基盤整備では、最も重要となるドジョウB系統のリファレンスゲノムの構築において、倍加半数体の誘起が成功していたことから効率的にアセンブリができ、今後のゲノム構造解析に用いるデータが構築できた。ロングリードのデータだけでなく、ショートリードのデータも既に獲得できたことから、次年度には更に充実した全ゲノム情報を得ることが期待される。さらに、A系統においても雌性発生によって解析個体を誘起し、リードデータの獲得に着手していることから、ゲノム解析においては当初の計画以上に進展している。そのため、高精度の全ゲノムデータから反復配列の単離を行うことにより、染色体レベルでのゲノム構造解析向けたFISHプローブの開発が期待される。
②初年度ではクローンドジョウの卵巣を解離しフィルター濾過することで、卵原細胞を含む細胞集団を分離することが可能となり、この細胞集団において、FACS解析から倍加細胞と考えられる細胞集団を観察することができた。そのため、2年目に各細胞集団を単離し、遺伝子発現解析等により、各細胞集団に含まれる細胞種の特定が期待される。また、遺伝子組換えクローンドジョウにおいても、コンストラクトの構築と顕微注入によって遺伝子導入系統に向けた候補個体を作出できたことは、次年度以降にクローン生殖によって生殖細胞可視化系統が1世代で樹立できる可能性がある。
③サケ科雑種では成熟に至っていない交配群がおり、ドジョウ雑種では雌の妊性が未確認である。これらにおいては2年目以降の成熟個体の結果が期待される。メダカ属雑種でも同様に、2年目以降の成熟個体の配偶子形成が期待される。

Strategy for Future Research Activity

①ゲノム倍加を生じる系統間ゲノム違い、②ゲノム倍加の分子機構の解明、③雑種由来の二倍性配偶子の育種応用に向けた実証研究の3項目の推進方策を下記に示す。
①ドジョウA系統ゲノムとB系統ゲノムと比較するために、雌性発生により誘起したゲノム解析用のドジョウA系統を用いてゲノム解析基盤の整備を進める。これらの解析基盤が整った段階で系統間のゲノム比較を行い、系統間におけるゲノム構造解析を進める。また、得られた全ゲノム情報からFISH解析に用いることができる反復配列の抽出を試みる。候補となる反復配列が得られた場合には、FISH解析に供し、ドジョウ系統間のゲノム構造解析を染色体レベルでの検証を行う。
②クローンドジョウ生殖腺の酵素処理とメッシュフィルターを用いた方法によりゲノム倍加が生じていると考えられる生殖幹細胞の分離を行い、生細胞ならびに固定細胞の免疫染色により分離後の細胞種と倍数性の特定を試みる。また、解離・回収した細胞をFACSによる解析に供し、生殖細胞と体細胞の集団の分離を行う。FACSにおける生殖細胞集団の特性を明らかにすることにより、生細胞での生殖幹細胞の倍数性に基づいて単離を試みる。倍数性が異なる各細胞集団のRNA-seq解析を行い、ゲノム倍加に関連する遺伝子を探索する。また、より効率的かつ高純度、多量の生殖幹細胞分離を目的として、生殖細胞可視化クローンドジョウ系統を樹立する。その後、この系統における倍数性の異なる生殖幹細胞の単離をFACSにより行い、ゲノム倍加に関連する遺伝子を探索する。
③サケ科雑種、ドジョウ雑種とメダカ雑種を用いて、それらの産する配偶子の倍数性や遺伝的特性の解析をRAPD等の遺伝マーカーを用いて行う。また、非還元配偶子が得られた場合には、人為的に単為発生の誘起により継代するとともに、雑種とは異なる種との交配による三元雑種や異質三倍体の誘起を試みる。

  • Research Products

    (1 results)

All 2022

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] クローンドジョウとその起源系統における細胞遺伝学的差異2022

    • Author(s)
      柴田季子・黒田真道・西村俊哉・ 山羽悦郎・荒井克俊・藤本貴史
    • Organizer
      令和4年度日本水産学会春季大会

URL: 

Published: 2022-12-28   Modified: 2024-12-25  

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