2022 Fiscal Year Annual Research Report
Development of a rapid gamete production technique using germ cell transplantation into a gonad of germ cell-less fish.
Project/Area Number |
21H02289
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Research Institution | Fisheries Research and Education Agency |
Principal Investigator |
吉川 廣幸 国立研究開発法人水産研究・教育機構, 水産大学校, 講師 (40733936)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木下 政人 京都大学, 農学研究科, 准教授 (60263125)
吉浦 康寿 福井県立大学, 海洋生物資源学部, 教授 (90372052)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | トラフグ / 代理親魚 / ゲノム編集 / 種苗生産 / 生殖細胞欠損 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、ゲノム編集を用いた生殖細胞欠損個体の大量生産技術を開発し、それらを適用した小型近縁種の成魚の生殖腺へと生殖細胞を移植する代理親魚生産技術を確立することにより、世代時間が長い大型海産魚の配偶子を早期に得られる新規の世代時間短縮法の構築を目指している。配偶子を早期に得るための新規世代時間短縮法の確立に向け、本年度は、トラフグ配偶子を生産する代理親であるクサフグを対象として以下の研究を実施した。
①生殖細胞欠損魚の大量生産法の開発:生殖細胞の生存に必須なdnd遺伝子内部へ蛍光タンパク質遺伝子タグ(FPタグ)を挿入することにより、遺伝子破壊とその可視化が可能な遺伝子破壊系統の樹立を目指した。これまでに作出しているFPタグがdnd遺伝子へ挿入されたF1世代を交配試験に供し、F2世代を作出した。これらF2には、FPタグが両アレルに挿入されたホモ変異個体が確認され、これらの個体において生殖細胞は生殖腺中に確認されなかった。
②生殖腺内移植による代理親魚の作出:前年度までに開発した成魚生殖腺への移植手法を用いて、ドナーとするトラフグの精巣細胞を、宿主とするクサフグ成魚生殖腺へ移植した。移植に使用したトラフグ精巣細胞は細胞表面を蛍光ラベルしたところ、1か月後の生殖腺においてそれらの蛍光が観察された。また、これらの生殖腺からDNAを抽出し、PCR解析を実施したところ、一部の個体でトラフグゲノムが検出された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の研究を通し、FPタグを挿入した遺伝子破壊系統を交配することにより、生殖細胞欠損個体を簡単かつ大量生産できる基盤を整えることができた。また、成魚の生殖腺へドナーとするトラフグ細胞を移植し、一部の個体ではそれらの細胞の存在が生殖腺中で確認されている。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、FPタグ挿入の遺伝子破壊系統を交配することにより生殖細胞欠損個体を量産し、それらの生殖腺へドナーとするトラフグ細胞を移植することにより、宿主からのドナー由来配偶子の生産を目指す。
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Research Products
(4 results)