2021 Fiscal Year Annual Research Report
水の安定同位体比を用いた水田農業が流域水循環に果たす役割の定量的評価
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21H02308
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
中桐 貴生 大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 准教授 (80301430)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀野 治彦 大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 教授 (30212202)
濱 武英 京都大学, 農学研究科, 准教授 (30512008)
櫻井 伸治 大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 講師 (30531032)
吉岡 有美 島根大学, 学術研究院環境システム科学系, 助教 (40753885)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 千種川 / 斐伊川 / 球磨川 / 水の酸素・水素安定同位体比 / 静的・動的分別追跡モデル構築 / 流域水収支モデル構築 / 水田からの用水還元 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究計画当初は,千種川,斐伊川,愛知川の3流域で現地調査を行う予定であったが,研究分担者の1人である濱准教授が別の研究で熊本県球磨川流域で現地調査を始めることとなり,そこで得られるデータの一部が当該研究でも利用でき,研究エフォートの観点からも愛知川の代わりに当該流域を対象にした方がより効率的であると判断されたことから,千種川,斐伊川,球磨川を調査対象流域とすることにした。 3流域とも,衛星画像解析やGISを利用して流域界の作成や河川網の作成,地目分析等の作業を行った。 斐伊川ならびに球磨川については,降水採集装置の設置は完了し,河川水および田面水の採取地点の選定も終了し,定期調査の準備を整えることができた。一方,千種川については,阪神地域における新型コロナ感染状況の都合により,1度も現地に訪問することができなかった。また,当該研究において最も重要となる水の安定同位体比の分析に関して,使用予定の分析装置が長期にわたって不具合となり十分な分析を行うことができなかった。 現地調査については,コロナ禍の影響により,当初の予定通りには進められそうにないことが比較的早い段階から予想されたため,モデル構築に関する検討を先に進めることとした。具体的には,1)水田からの用水還元を考慮できる流域水収支モデルの構築と,2)田面に溜められた水が蒸発を受けることで変化する水同位体比の追跡モデルの構築の2つについて検討を行った。両検討ともある程度の成果としてまとめられたことから,前者については2021年11月に開催された農業農村工学会京都支部研究発表会にて発表を行い,また,後者については2022年8月に開催予定の農業農村工学会全国大会講演会に投稿し発表予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍により,どの流域でも当初の予定通りの現地調査が行えなかったことが最大の要因。ただし,そのことは比較的早い段階で想定されたことから,モデル構築に関する検討を前倒しで行うことで,研究全体としては,ある程度進捗させることができ,全体としては「やや遅れ」程度で済ますことができたと判断している。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度以降は,コロナ禍による現地訪問への制約はかなり緩和されることが期待できることから,対象3流域において積極的に現地調査を行い,より多くの良質な現地データの蓄積ができるよう努める予定である。また,水の安定同位体比の分析装置を保有している総合地球環境学研究所において,分析装置が増強される予定となっていることから,これまで未分析のまま保管しているサンプルも含め分析を進める。 初年度において進めてきたモデル構築の検討についても,具体的な検討課題が整理できていることから,引き続き検討を行っていく予定である。
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Research Products
(2 results)