2021 Fiscal Year Annual Research Report
Development of ultra-precision weeding technology using a system for unmanned-ground-vehicles driven by solar power
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21H02321
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Research Institution | Akita Prefectural University |
Principal Investigator |
山本 聡史 秋田県立大学, 生物資源科学部, 准教授 (20391526)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
間所 洋和 岩手県立大学, ソフトウェア情報学部, 准教授 (10373218)
西村 洋 秋田県立大学, 生物資源科学部, 教授 (70391513)
保田 謙太郎 秋田県立大学, 生物資源科学部, 准教授 (00549032)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 除草ロボット / エネルギー自給 / 三次元モデル化 / 雑草検出 / 選択除草 / ローカル5G |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、エネルギー自給型の自律走行ロボット群を用いて除草作業を完全無人化することを目的としている。今年度は、自律走行ロボットのソフトウェアの完成度を高めるとともに、深層学習を用いた雑草検出の基盤技術を確立した。さらに、ほ場の三次元モデル生成手法やローカル5Gを用いた動画伝送手法について検討した。 自律走行ロボットのソフトウェアでは、ロボットに市販の播種機を取りつけて自動播種を行い、その経路をそのまま除草作業の経路とした。ブラシローラを備えた作業機を試作して自動除草作業を行った結果、ダイズほ場の試験区14m×140mでは明確な除草効果は得られなかったが、39kmを走行し、エネルギー自給型ロボットの有効性を確認できた。さらに、ソバほ場22m×36mでは生育初期の雑草を中心に除草できたが、ブラシローラにより作物の損傷が生じた。走行距離は19kmであり、排水性が良くない場所で走行できないなど、走行性に関する改善点を明らかにした。 深層学習による雑草検出では、RTK-GNSSを備えたドローンにより地上高1.5mの飛行経路でダイズの作物列を動画で撮影し、雑草とダイズの判別を試みた。2種類のGAN(Generative adversarial networks)から構成されるセマンティックセグメンテーションモデルは、少ない画像データとラベルからセグメンテーション精度の改善が見込まれた。 ほ場の三次元モデル生成では、ドローン搭載型LiDARを用いて空撮した結果、一般的な空撮ドローンの三次元モデル構築手法Photogrammetryより格段に高精度なほ場地形の三次元情報を得られることを確認した。さらに、秋田県立大学アグリイノベーション教育研究センターに設置されたローカル5Gによる画像伝送手法を確立し、遅延時間や農地における伝送距離などを評価する体制を整えた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では、完全無人のエネルギー自給型自律走行ロボット群による高精度な除草作業を行うため、最初に、自律走行ロボット群によりほ場内を隈なく走行し、ほ場における生育初期の雑草の検出と位置を正確に求める。次に、雑草の位置に基づき、作業計画を作成し、ロボットによる選択除草を実施する。このルーチンを定期的に繰り返す中で、検出と除去作業を分けて実施することにより、自動除草作業の高精度化を実現する。 これまで、エネルギー自給型の自律走行ロボットの制御ソフトウェアの完成度を高めるとともに、走行部などのハードウェアの改善点を明らかにした。当初、ドローンを用いた一般的な三次元モデル構築手法Photogrammetryよりほ場全体の大まかな三次元モデルを生成する予定であったが、ドローン搭載型LiDARを用いることにより、格段に高精度な三次元モデルを構築できることを確認した。雑草検出では、雑草の生育が進んだ状況で撮影を行い、先端的な深層学習手法により高精度に作物と雑草を判別可能であったことから、生育初期の雑草についても同様に検出可能な見込みが得られた。 このように、ほ場における生育初期の雑草の検出と位置を正確に求めるための技術開発を積み重ねているところであり、ロボットにLiDARを搭載し、SLAM技術によりロボットの位置姿勢の測定精度を向上させ、撮影した画像中の雑草の位置推定精度を高めていく。また、ローカル5Gによる画像伝送手法が確立できたので、これを応用して三次元情報の伝送について検討する。 以上、研究初年度にキーとなる要素技術を確立できたことから、概ね計画通りに進捗していると判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
研究初年度に構築した要素技術のブラッシュアップと統合・システム化を進める。さらに、作物を損傷せずに雑草のみに作用する選択除草に必要な作業機の設計・試作を行う。具体的には、以下の項目に取り組む。 ・雑草の位置推定精度を高めるため、ドローン搭載型LiDARで構築した三次元モデルをベースに、ロボットに搭載したLiDARを用いてロボットの位置姿勢を高精度に求めるSLAM手法の導入と改良を進める。 ・ロボットに搭載したカメラとLiDARのキャリブレーションを行い、ほ場における雑草位置を推定する手法を確立する。 ・SLAMの計算を基地局の高性能なPCで実施するため、ローカル5Gを用いた情報伝送手法を確立する。 ・雑草検出では、ロボットにカメラを搭載して撮影する際、これまで構築した検出手法により生育初期の雑草を検出するために必要な撮影条件を明らかにする。 ・ロボットの稼働に必要な電力を踏まえつつ、選択除草を行う作業機を設計し、自動除草作業の精度を評価する。
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