2021 Fiscal Year Annual Research Report
Coding/Non-coding RNAの網羅的かつ精密な分類と性質の解析
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21H02404
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
松本 有樹修 九州大学, 生体防御医学研究所, 准教授 (60741519)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | Long non-coding RNA / Coding RNA / 翻訳プロファイリング / 機械学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
Long non-coding RNA(lncRNA)の定義は「タンパク質をコードしない200塩基以上のRNA」とされているが、われわれはこれまでに、一部のlncRNAがポリペプチドを翻訳することを明らかにしてきた。 [Matsumoto et al., Nature 541: 228-232 (2017)]。この発見は、これはどのようなRNAが翻訳され、どのようなRNAが翻訳されないのかということを規定する原理が不明であるために、coding RNAをnon-coding RNAと誤分類していたということを意味する。 既存のRibo-seqはlncRNAが翻訳されているかの検討に有用な手法ではあるが、ノイズによる偽陽性(non-coding RNAをcoding RNAと誤同定する)が問題であった。そこでわれわれは、翻訳プロファイリング法を用いてRibo-seqの偽陽性を劇的に減少させる手法を開発した。この手法を用いることにより、Ribo-seqの偽陽性を大幅に減少させ、正確なcoding/non-coding RNAの分類が可能となった。 昨年度は、培養細胞やマウスなどを用いて翻訳プロファイリングを行い、それら得られた結果を元にlong non-coding RNAの性質の解析を行った。この解析の結果、多くのlong non-coding RNAは翻訳因子と相互作用しており、翻訳されている可能性が示唆された。一方で、一部のlong non-coding RNAは翻訳因子と相互作用していなかったため、これらは真のlong non-coding RNAである可能性が高いことがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
翻訳プロファイリングによって、真のlong non-coding RNAと翻訳されるlong non-coding RNAを正確に分類することが可能となっており、当初の予定通りに計画が進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの解析により、真のlong non-coding RNAと翻訳されるlong non-coding RNAを正確に分類することが可能となってきた。そこで、真のlong non-coding RNAと翻訳されるlong non-coding RNAの2群に関して詳細な解析を進めていくことにより、これらにどのような性質の違いがあり、どのようにして翻訳されるかされないかの運命が決定しているのかを明らかにしていく。
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Research Products
(1 results)