2023 Fiscal Year Annual Research Report
Med26による新規のPol II液滴集積機構の細胞増殖分化における機能解明
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21H02405
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
高橋 秀尚 横浜市立大学, 医学研究科, 教授 (30423544)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 転写 / RNAポリメラーゼII / メディエーター複合体 / 液ー液相分離 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、遺伝子によっては、転写開始後にRNAポリメラーゼII(以下Pol II)がプロモーター近傍や転写終結点近傍で一時停止していることが明らかになり、遺伝子発現の制御において転写伸長や終結のプロセスが非常に重要な役割を果たしていることがわかってきた。特にPol IIの一時停止の解除には、P-TEFbやELL/EAFなどの転写伸長因子の働きが必要である。私はこれまでにメディエーター複合体のサブユニットMED26が、そのN末端ドメイン(NTD)によって、転写伸長因子をP-TEFbやELL/EAFを含む複合体Super elongation complex(SEC)と結合し、c-Mycなどのがん関連遺伝子において、転写伸長を促進することを明らかにした。SECはELL/EAF、P-TEFbに加えMLL融合パートナー因子のAF4、AFF4、AF9やENL をサブユニットとして有している。さらに、私はMED26のNTDと結合するもう一つの新規複合体Little elongation complex(LEC)を同定した。LECは転写伸長因子のELL/EAFに加えて、ICE1、ICE2をサブユニットとして有す。MED26を含むメディエーター複合体はLECと結合することによって、核内構造体Cajal体においてsmall nuclear RNA(snRNA)や複製依存性ヒストン遺伝子などのmRNAにポリAを含まない遺伝子の転写終結を促進することを明らかにした。このように、MED26はSECとLECを使い分けることによって、それぞれポリAのあるmRNAとポリAのないmRNAの転写を促進することが明らかとなった。さらに、MED26はメディエーター複合体と共にSECやLECの各々の標的遺伝子領域で、液―液相分離による液滴を形成し、遺伝子の発現を活性化することが明らかとなってきた。
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Research Progress Status |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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