2022 Fiscal Year Annual Research Report
Regulation of substrate specificity of p97 by cofactors
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21H02418
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
佐藤 裕介 鳥取大学, 工学研究科, 講師 (50568061)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ユビキチン / タンパク質分解 / タンパク質複合体 / クライオ電子顕微鏡 |
Outline of Annual Research Achievements |
p97は補因子と共にはたらき、主にユビキチン鎖修飾を受けた基質をアンフォールディングすることでプロテアソーム分解へと導き、多様な細胞機能を制御する。p97が多様な役割を持つのは、ユビキチン鎖修飾の様式が多様である事に加え、p97が約30種類の補因子依存的に基質特異性を獲得しているためである。しかし、ほとんどの補因子についてはp97の基質特異性の決定機構は不明である。本研究では多様な補因子によるp97制御機構を解明するため、生化学的な実験とクライオ電子顕微鏡単粒子解析により、多様な補因子によるp97の基質特異性制御機構を明らかにする。本課題によりそれぞれの補因子によるp97の基質特性制御機構が解明されれば、多様な機能を持つp97の研究が進展し、p97が関与する疾患の発症機構の解明へ繋がる。 2021年度にp97を活性を亢進する補因子としてFAF1とUBXD7を発見した。2022年度はさらに、これらの補因子のN末端側、もしくはC末端側を切り詰めることで、これら補因子のいずれの領域がp97の活性に必須であるかを探索し、FAF1とUBXD7が異なる領域でp97を活性化している事を明らかとした。さらに、p97の活性化測定の基質として用いるユビキチン鎖結合型mEosの、ユビキチン鎖の鎖長を制御し、p97の活性化にはユビキチンが5分子以上結合したユビキチン鎖が必要であることを明らかにした。一方、クライオ電子顕微鏡による単粒子解析については、p97と補因子との複合体の構造の解明には至っていない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
クライオ電子顕微鏡による構造解析には至っていないが、p97の活性を亢進する補因子のp97活性化ドメインを発見することに成功したため、本研究はおおむね順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
p97の活性を亢進する補因子は発見し、補因子のどの領域が活性亢進に影響しているかも解明できた。今後はp97と補因子の複合体の構造解明により注力していく。これまではヒト由来のp97を主に解析の対象として用いてきたが、今後は出芽酵母のp97(Cdc48)など、異なる生物種について単粒子解析の対象として選択し、より補因子の構造が明瞭に観察できる試料を作成する。
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Research Products
(10 results)