2023 Fiscal Year Annual Research Report
物質不均衡分布を司る能動輸送体P型ATPaseの構造機能生理学
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21H02426
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
阿部 一啓 名古屋大学, 細胞生理学研究センター, 准教授 (60596188)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 膜タンパク質 / 能動輸送体 / Cryo-EM / 構造解析 / 生化学 / P-type ATPase / 胃プロトンポンプ / AI |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は死海に生息する川エビの一種からクローニングされたナトリウムポンプの構造解析を行った。外部の高塩濃度溶液に対してNa+を輸送するメカニズムとして、このアイソフォームに特徴的であるカチオン結合サイトに存在するリジン残基が、Na結合サイトの中央に位置していることが構造的に示され、この構造が結合サイトからのNa+の外部への押し出しに重要であることを報告した(Artigas et al., 2023, PNAS)。 胃プロトンポンプのE936Q変異体の構造解析とMDシミュレーションにより、このイオンポンプがK+を選択的に結合するメカニズムについての新たな知見が得られた(Madapally et al., 2023, J Biol Chem)。 AIプラットフォームDeep Quartetと、これまで得られた構造情報から、胃プロトンポンプの新規阻害化合物をデザイン、実際に化学合成し、得られた化合物の結合構造を決定、そこからさらに化合物の構造を最適化していくことで、より親和性の高いものを開発した。この枠組みが、タンパク質の構造に基づいた薬剤デザインにとって有効でおること示した(Abe et al., 2023, Commun Biol)。 以前報告したナトリウムポンプを模倣したプロトンポンプ変異体(Young et al, 2022, Nat Commun)に関するfollow-up studyとして、未報告の変異体の構造についての考察を行った。(Abe et al., 2023, Biochim Biophys Acta)
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Research Progress Status |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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