2023 Fiscal Year Annual Research Report
Direct observation of biomolecular dynamics by a pulsed electron microscope
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21H02440
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
成田 哲博 名古屋大学, 理学研究科, 准教授 (30360613)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 電子顕微鏡 / 動態観察 / パルス電子光源 / 蛋白質 |
Outline of Annual Research Achievements |
パルス電子顕微鏡で溶液試料を観察するためのチャンバーの開発を主眼に研究を進めてきたた。いままで開発してきた窒化シリコン膜を用いたチャンバーに液だめとスペーサーを追加することで、安定した溶液厚が得られ、歩留まりが8割まで向上した。一方で窒化シリコンでは非特異的な吸着が多く見られ、自由な粒子運動を観察するのが難しかった。先行研究も全て窒化シリコンを使っていたが、これはむしろ吸着を利用して観察していた。本研究では、パルス電子顕微鏡を用いて自由な運動を観察することも目的である。 イオン強度を上げることで吸着が抑えられることから、電子線によるチャージアップによる吸着であることが予想された。チャージアップを抑えるために、電導度が高い窒化炭素膜を用いたチャンバーを新たに製作、大幅に吸着を抑えることに成功した。窒化シリコンよりも若干コントラストが落ちるが、十分使用に足りる歩留まり(8割程度)とコントラストを達成した。窒化炭素を用いた溶液チャンバーは世界ではじめてである。 また、クライオホルダとドライアイスを用いた、0-40度の間の安定した温度コントロールにも成功した。これで、試料ホルダはひとまず実用レベルに達したと考えている。 パルス電子顕微鏡のほうは残念ながら共同研究先での開発が遅れ、実際の観察に至らなかった。しかし、電子銃自体の開発は終了しており、現在電子顕微鏡への搭載作業に参加している。本研究で開発したホルダを用いて、近いうちに必ず生体試料の動態観察が可能になると考えている。
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Research Progress Status |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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Remarks |
日本薬学会第143年会学生優秀発表賞 (ポスター発表の部) 日本薬学会第143年会 2023/04/25
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