2021 Fiscal Year Annual Research Report
Structure and functional analysis of the SARS-CoV-2 Nucleocapsid Protein
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21H02449
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
朴 三用 横浜市立大学, 生命医科学研究科, 教授 (20291932)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡士 幸一 国立感染症研究所, 治療薬・ワクチン開発研究センター, 総括研究官 (40378948)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 新型コロナウイルス / Xタンパク質 / 構造生物学研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
人類は21世紀に入り、2002年の重症急性呼吸器症候群(SARS)、2012年の中東呼吸器症候群(MERS)を経験しており、何れもコウモリが原因であると報告されている。その後、2019年末には、SARS-CoV-2は中国の武漢で呼吸器疾患のアウトブレイクを引き起こした。当初は動物からヒトへの拡散が示唆されたが、のちにヒトからヒトへの伝播が発生していることが明らかになった。コロナウイルス(Corona virus: CoV)は一本鎖RNAウイルスで、ヒトへの感染が確認されているCoVは7種類が存在している。これらのCoVに感染すると様々な重症度の呼吸器症状を発症する。初期に発見されたHCoV-OC43とHCoV-229Eは、風邪のような症状を引き起こし、その他の5つのCoVはより重度の呼吸器感染症を引き起こす。現在、世界中で猛威をふるっているSARS-CoV-2は、コウモリが持っているCoVが野生動物を通じて人間にうつったと考えられている。現在、SARS-CoV-2感染症の流行により数多くの患者が死に至っているが、未だに有効なワクチンや治療薬の開発は確立されておらず、世界中から強く望まれている。今後、SARS-CoV-2の生物学的な感染機構解明や、合理的で有効な治療薬の開発を急務とされている。 本研究ではウイルスRNAアセンブリーの安定化に関わっているNタンパク質の構造解明によるウイルスの増殖機構解明を目指す。さらに、新規治療薬開発やモノクローナル抗体作製による抗原・抗体反応の高感度で迅速な診断キットの開発など感染予防の基盤構築を目指す。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Nタンパク質はアミノ酸419残基を持つ分子量約50kDa.の一つのペプチドとして、RNA結合や二量体形成ドメインから成り、全長での大量発現系構築には難問とされている。その難問に対し、申請者はタンパク質の大量発現系構築のため、DNA遺伝子コドンを大腸菌優勢コドンで最適化を行なった。その発現系は、大腸菌、酵母、無細胞タンパク質発現系、昆虫細胞(sf9)など様々な発現ベクターで確認を行なった結果、全長(アミノ酸419残基)での大量生産に成功した。その結果、Nタンパク質は8量体として機能している事が分かった。さらに、ssRNA(single-stranded RNA)10残基(ポリU; ウラシル)を合成し、Nタンパク質と複合体の作製にも成功した。Nタンパク質の複合体の分子量は約450kDa.になり、CryoEMの単粒子解析には最適な試料である。得られたNタンパク質を抗原タンパク質として、マウスを利用し、モノクローナル抗体を取り組んでいる。また、Nタンパク質とRNAが結合した複合体のCryoEMの単粒子解析を向けて、試料の大量調製も進めている。さらに、自動結晶化ロボット分注システムによるNタンパク質の複合体での結晶化の条件検討を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
SARS-CoV-2は2020年3月にWHOによりパンデミックとして認定され世界中に広がり、感染による死亡者(2020年7月)は100 万人を超えた。国内外の製薬社や研究機関により、ワクチンやin-silico手法による創薬開発は活発に行われているが開発までには時間がかかる事とウイルス関する学問的な知見が足りない。その中、研究代表者は感染病や関連タンパク質の構造生物学研究を中心として、先駆的に業績を積み上げてきたものであり、構造生物学分野では独壇場である。 本計画班の目指すSARS-CoV-2のNタンパク質の構造やウイルスの増殖機構解明は、それを基に細胞内でのウイルス増殖現象の制御・治療・創薬スクリーニングという広大な新分野の開拓を先導するものであり、かつ学術面で独創的な新領域の研究分野であると言える。また、今後、感染病のウイルスタンパク質の構造生命科学的解析を基盤とした先端的・先導的な医学・薬学領域の創出と、それに基づく広範で多彩な応用展開に繋がることが期待できる。 今年度で、Nタンパク質と複合体の作製しており、今後、結晶化の条件は市販の結晶化スクリーニングキットを用いて、約1000条件を用いて結晶化条件の検討を行う。単結晶の作製条件が決まった段階で、大型放射光施設SPring8及びPhoton FactoryでX線回折実験を行う予定である。
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[Journal Article] Leucine-sensing mechanism of leucyl-tRNA synthetase 1 for mTORC1 activation.2021
Author(s)
Kim S, Yoon I, Son J, Park J, Kim K, Lee JH, Park SY, Kang BS, Han JM, Hwang KY, Kim S.
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Journal Title
Cell Rep.
Volume: 35(4)
Pages: 109031
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] Early-stage dynamics of chloride ion-pumping rhodopsin revealed by a femtosecond X-ray laser.2021
Author(s)
Yun JH, Li X, Yue J, Park JH, Jin Z, Li C, Hu H, Shi Y, Pandey S, Carbajo S, Boutet S, Hunter MS, Liang M, Sierra RG, Lane TJ, Zhou L, Weierstall U, Zatsepin NA, Ohki M, Tame JRH, Park SY, Spence JCH, Zhang W, Schmidt M, Lee W, Liu H.
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Journal Title
Proc Natl Acad Sci U S A.
Volume: 118(13)
Pages: 0000
DOI
Peer Reviewed