2021 Fiscal Year Annual Research Report
Large-scale proteoform analysis for unveiling the entire view
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21H02459
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
石濱 泰 京都大学, 薬学研究科, 教授 (30439244)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | プロテオフォーム / プロテオーム / スプライシング / 翻訳開始点 / プロテオリシス |
Outline of Annual Research Achievements |
プロテオフォームとは、RNAスプライシングやSNPs等のmRNAに由来するアイソフォームだけではなく、翻訳制御により様々な翻訳開始点や終始点をもつタンパク質、翻訳後に生じる内在性プロテオリシス産物や翻訳後修飾体も含めて多様なタンパク質一次配列の違いに基づく呼称である。本研究では、①プロテオフォームを大規模解析する技術を開発し、②プロテオフォームがもたらすプロテオーム多様性が、どのような制御を受けて形成されているか、その全体像「プロテオフォームランドスケープ」を明らかにする。これらは、本研究の次のステージで、細胞の機能や疾病との関連を調べるための基盤となる。R3年度は、タンパク質N末端およびC末端ペプチド濃縮法の確立に注力した。その結果、消化酵素にTrypNを用い、従来のHPLC型のイオン交換クロマトグラフィーから使い捨てピペットチップ型のイオン交換クロマトグラフィーを用いる系で95%以上の選択性でタンパク質N末端由来ペプチドの単離に成功した。同様にして、タンパク質C末端ぺプチドに対しても、Glu-Cとピペットチップ型配位子交換クロマトグラフィーにより、タンパク質C末端由来ペプチドのみを濃縮できることが分かった。さらに、トリプシン消化とイオン交換クロマトグラフィーにより、N-アシル化タンパク質N末端由来ペプチドとタンパク質C末端ぺプチドの濃縮条件を最適化した。これらの単離法はいずれも消化とクロマトグラフィーによる分画という2ステップのみで構成され、95%以上の高い濃縮率の実現に成功した。これらの手法を脂肪細胞分化やポリペプチド新生鎖に適用し、プロテオフォーム特異的な制御機構同定の検討を開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、一年目に主要な手法の確立に成功した。一部の手法については更なる最適化が必要であるが、全体の進捗に影響を及ぼすほどではなく、順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
がん細胞株群を用いた細胞株選択的プロテオフォーム制御機構解明 代表者が研究代表者を務めるプロテオームデータリポジトリjPOSTは、JSTライフサイエンスデータベースプロジェクトで、ヒトゲノム/遺伝子, 遺伝的多様性, エピジェネティクス, RNA情報を集積したデータベースであるDBKERO (http://kero.hgc.jp)と連携している。DBKEROにはヒト非小細胞肺がん細胞株26種について徹底的に測定したRNAデータがコアデータとして格納されている(選択的スプライシングデータ、ゲノム変異データなどを含む)。この研究チームと連携し、同一条件の試料を調製した後、非小細胞肺がん細胞株26種についてプロテオーム規模でプロテオフォームデータを取得する。N, C末端プロテオームデータ、分子量分画プロテオーム解析データ、培養上清も含めた細胞内小器官別プロテオーム解析データ、パルスラベルSILAC法を用いてタンパク質合成・分解を区別したプロテオームデータなどを取得する。得られたデータについて、トランスクリプトーム―プロテオーム相関解析に加え、プロテオフォームやさらにその構成因子との相関について解析をおこなう。 さらに、異なる組織由来の10種のがん細胞株のectodomain shedding研究において、我々はすでに、培養上清の末端プロテオミクスにより、内在性プロテオリシス産物としてN末端5,952種、C末端5,848種を同定することに成功している(bioRxiv 2020.09.23.310102; doi: 10.1101/2020.09.23.310102)。この試料についても、大規模プロテオフォーム解析を行う。
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