2022 Fiscal Year Annual Research Report
A genetic approach for the regulation of cell competition.
Project/Area Number |
21H02478
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
菅田 浩司 京都大学, 生命科学研究科, 准教授 (60508597)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ショウジョウバエ / 細胞競合 / がん悪性化 |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者らは近年、EMSで変異導入した12,496系統を用いて複眼原基に遺伝子変異をホモに有する細胞の体細胞クローンを誘導して解析した結果、61系統で細胞競合が誘導されることを見出した。61系統のうち細胞間接着を制御する遺伝子の変異体系統について解析を進めた結果、変異細胞内でがん遺伝子であるRasの活性化型(RasV12)を強制発現させると悪性腫瘍を形成することから、この遺伝子はがん抑制遺伝子として機能すると考えられた。この遺伝子変異が誘導する細胞競合の下流制御因子を同定するために、染色体の一部が欠失した一連の変異体ライブラリーを用いて表現型のモディファイヤースクリーニングを行った。その結果、細胞競合を抑制する系統、亢進する系統をいずれも複数得ることに成功した。責任遺伝子領域の絞り込みを行ったのちに遺伝子変異体系統やRNAi系統を用いて原因遺伝子の探索を行った結果、特定の細胞内機能を制御する複数の遺伝子を得ることに成功した。また、本年度は細胞競合の制御において腫瘍壊死因子(TNF)シグナルの活性制御が重要であることが海外のグループから報告された(de Vreede et al. Sciece 2022)。そこで、申請者らが見出している遺伝子の変異が誘導する細胞競合と上記のシグナル伝達機構との遺伝学的な相互作用の解析も併せて進めた。また、61系統で細胞競合が誘導されたことから、細胞競合のトリガーは多様であると考えられる。そこでこれらの遺伝子変異が誘導する細胞競合の解析を行った結果、約89%がストレスキナーゼである JNK または b-Zip 型転写因子である Xrp1に依存的に細胞競合を誘導することから、多様な細胞競合を制御する普遍的な共通メカニズムが存在する可能性が明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画調書の内容に従って研究が推移しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き計画に従って実験を進める。また、2022年度に海外のグループから報告されたTNFシグナルとの関連についても解析を行う。
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[Presentation] A genetic screen and characterization of triggers of cell competition.2023
Author(s)
Hiroshi Kanda, Ryo Matsumoto, Aya Kawasaki, Mai Nakamura, Rina Nagata, Xinyue Huang, Ayumu Okumura, Naotaka Ochi, Yoji Noguchi, Naoki Wakasa, Ryosuke Nakano, and Tatsushi Igaki
Organizer
64th Annual Drosophila Research Conference
Int'l Joint Research
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