2023 Fiscal Year Annual Research Report
Division of cellular function of nuclear transport pathways
Project/Area Number |
21H02482
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
今本 尚子 国立研究開発法人理化学研究所, 開拓研究本部, 主任研究員 (20202145)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 誠 国立研究開発法人理化学研究所, 開拓研究本部, 専任研究員 (00290891)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | Importin α / Importin β / プロテオミクス / 核ー細胞質間輸送 / タンパク質の熱安定性 |
Outline of Annual Research Achievements |
単球由来THP-1細胞のマクロファージ分化系を用いた解析を行っている。分化前後の総蛋白質、核内蛋白質の質量分析法によるプロテオミクス解析を行い、分化後の核内では多くのプロテアソームサブユニット蛋白質や数種類のE3ユビキチンリガーゼを含む多数の蛋白質が増加し、細胞分裂やDNA合成に関与する蛋白質が減少していることを見出した。この分化過程における輸送因子の顕著な発現変動のひとつは、Importinα5(KPNA1)の発現上昇であるため、siRNAにより Importinα5の発現を抑制したTHP-1細胞でも同様に分化前後のプロテオミクス解析を行った。 同分化過程では、 Importinα1(KPNA2)の顕著な発現減少も見られるためImportinα1の発現誘導により分化過程でのImportinα1減少が起こらないTHP-1安定細胞株を作製し、発現誘導有無の両条件下で分化誘導した細胞の分化前後の総蛋白質、核蛋白質のプロテオミクス解析を行った。 Importinα1を発現誘導しない場合と比べ、高発現下で分化誘導した細胞の核内に多く存在する蛋白質には、細胞分裂やDNA合成に関わるものが多く含まれることが判明した。 KPNA1, 2, 7の3種類は37℃でも1~2時間で容易に変性するが、シクロヘキシミドチェイス実験を行うと、これらのタンパク質の細胞内半減期は、12時間以上であることから、細胞内には未知のImportin α安定化機構が存在することが示唆された。KPNA2と相互作用するタンパク質群の多くは、シャトルタンパク質であることが明らかになった。また、NLSペプチドによってImportin αが安定化することが判明した。これらの結果は、熱感受性Importin αサブタイプは、シャトルタンパク質などを常に核内へ輸送し続けることによって、その機能を維持していることが示唆された。
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Research Progress Status |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)