2022 Fiscal Year Annual Research Report
神経幹細胞の光操作を用いた生後脳ニューロン新生の機能的意義の全脳レベルでの解析
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21H02485
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
今吉 格 京都大学, 生命科学研究科, 教授 (60543296)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 神経幹細胞 / ニューロン新生 / 転写因子 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者者がこれまで評価してきたニューロン新生の選択的阻害が可能なモデルマウス(GFAP-TKマウスなど)を、新規に開発した記憶痕跡細胞の多色蛍光標識マウスFL3/RFPマ ウスと組み合わせて使用し、神経回路ネットワークの可塑的変化が、ニューロン新生によってどのように修飾されるのかについて解析を行った。開発したFL3 マウスでは、脳サンプリング時に神経活動が活発なニューロン群をVenusで可視化できるとともに、4-OHT投与により、RFPなど別種の蛍光タンパク質の発現を誘導 できることができ、任意の二時点における活性化したニューロン群をVenusとRFPを用いて効率よく多色標識できることが可能になった。FASTに基づいた全脳イ メージングデータの取得を進めた。また、昨年度に確率したこれらのデータの解析に最適な定量的解析プラットフォームをアップデートを進めた。蛍光標識細胞の全脳アトラスへの registrationと、U-netを用いた細胞定量の解析パイプラインの精度が向上したと考えている。現在は、ニューロン新生の活性化や阻害 が、脳内の記憶痕跡細胞の分布や動態変化に、どのような影響をあたえるのかについて、解析を続けている。また、健常マウスとニューロン新生活性化・阻害マウス の間で差異があると同定された脳領域について、脳内視鏡を用いた神経活動イメージングを行うための実験系の確立を継続した。脳内視鏡データの取得に加え て、それらの時間変動を解析するためのデータ解析系の改良も行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画書に記載の内容に沿って進捗していると考えられるため。
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Strategy for Future Research Activity |
2年目で取得した健常マウスと、ニューロン新生活性化・阻害マウスの全脳データについて、樹立した解析プラットフォームを用いて、記憶痕跡細胞の脳内分布 や共局在について定量的な評価を継続する。より多くのマウス脳検体や、実験条件の改変が必要と判断されたので、追加サンプリングと全脳データの撮像を継続する。記憶痕跡細胞の再構成は、脳のどの領域間で、どのようなタイムスケールで起こっている現象なのか、そして、ニューロン新生マウスでは、どのステップに異常が見られるのかについては未知の点が多いので、海馬・扁桃体だけでなく、他の数多くの脳領域間での神経活動の相関や、記憶痕跡細胞の推移に着目して解析を行う。
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[Journal Article] Enhancement of Vivid-based Photo-Activatable Gal4 Transcription Factor in Mammalian Cells.2023
Author(s)
Nagasaki, S.C., Fukuda, T.D., Yamada, M., Suzuki, Y.I., Kakutani, R., Guy, A.T. and *Imayoshi, I.
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Journal Title
Cell Struct Funct.
Volume: 48
Pages: 31-47
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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