2021 Fiscal Year Annual Research Report
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21H02487
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
淨住 大慈 大阪大学, 微生物病研究所, 助教 (70452430)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ルミクリン / NELL2 / ROS1 / 精巣上体 |
Outline of Annual Research Achievements |
多細胞生物では、個体の中で細胞や組織の成長や分化を調節する様々な分泌シグナル伝達機構が重要な役割を担っている。最近研究代表者は管腔を通じて作用する全く新しい分泌シグナル伝達「ルミクリン」がマウス雄の生殖器官で機能していることを証明し、その分子実体としてNELL2を世界で初めて同定した。 本研究では、ルミクリンによるシグナル伝達の分子基盤解明を試みた。生殖路で機能する新規なルミクリン因子として分泌タンパク質Ts-1を同定した。Ts-1を欠損するマウスはルミクリンシグナル伝達が異常となるマウスと同様に、精巣上体の分化が不全となり、精子が成熟せず不妊となった。これらの表現型は、Ts-1欠損マウスの精巣特異的にTs-1トランスジーンを発現させることによりレスキューされた。これらの結果からTs-1が新規なルミクリン因子である可能性が強く示唆された。Ts-1の機能をさらに明らかにするために、組換えTs-1タンパク質の哺乳動物細胞における発現・精製系を確立した。 また、ルミクリンによるシグナル伝達特性をより詳細に検討した。ルミクリンシグナルの可視化を試みた。ルミクリンによって発現が誘導される遺伝子座に蛍光タンパク質をコードする遺伝子に置換し、ルミクリンによるシグナル伝達が蛍光検出によって可能となるノックインマウスを設計した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新たなルミクリン因子を同定し、さらにその分子機能の詳細があきらかになりつつある。 また、ルミクリンによるシグナル伝達を可視化する遺伝子改変動物の作製も順調に進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の研究計画通りに進める。遺伝子改変動物の作製・表現型解析と組換えタンパク質を用いた分子機能解析の両方を展開していく。
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