2023 Fiscal Year Annual Research Report
光合成・環境変動に応答した光化学系Ⅰ複合体の構造と機能のダイナミクス
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21H02510
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
高橋 裕一郎 岡山大学, 異分野基礎科学研究所, 特任教授 (50183447)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 光合成 / 光化学系 / 環境変動 / ダイナミクス / 分子集合 / 分子集合因子 / アンテナ複合体 / 緑藻クラミドモナス |
Outline of Annual Research Achievements |
1)光化学系I(PSI)複合体の分子集合因子であるYcf3とYcf4の構造と機能の解析を行った。精製したYcf3とYcf4複合体に結合するPSI分子集合中間体に結合しているクロロフィル分子の動態をレーザー蛍光顕微鏡で明らかにし、その蛍光スペクトルと寿命を測定した。その結果、分子集合中間体にはにクロロフィルが機能的に結合していることを明らかにした。また、Ycf3とYcf4複合体の構造をクライオ電子顕微鏡により解析中で、PSI複合体の分子集合プロセツの全体像を解明しつつある。(2)PSI-LHCI超分子複合体に結合する 9種のLHCIのうちLHCA3とLHCA7をそれぞれ欠損した変異株のPSI複合体を解析した。その結果、LHAC3とLHCA7が周辺アンテナのLHCIからPSIコアへの励起エネルギー移動に関与していることを示した。さらにLHCA7はLHCA3の安定性に重要であることを示した。(3) PSIに結合するアンテナ複合体LHCIの分子集合過程関与するcpSRP43/cpSRP54とインセルターゼAlb3.1がチラコイド膜上で複合体を形成することを明らかにした。従来の説ではcpSRP43/cpSRP54はストロマの可溶性成分で、Alb3.1はチラコイド膜上の膜タンパクであり、両者は一過性的に結合すると考えられていた。本研究により、両者は安定に結合して複合体を形成していることが初めて示された。この複合体はクライオ電子顕微鏡による構造解析を実施中である。(4) His-tagをPetAのC末に融合したCyt-b6f複合体をアフィニティ生成し、その構造解析をクライオ電顕で進めた。リスケタンパク質であるPetCのルーメン側の疎水領域には鉄硫黄中心が結合しているが、その構造が振り子のように動くことを示す結果が得られ、鉄硫黄中心からシトクロムfへの電子移動のメカニズムを明らかにできた。
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Research Progress Status |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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