2021 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of neuronal basis on the regulation of innate behavior and body pigmentation by brain peptides in fish
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21H02519
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
松田 恒平 富山大学, 学術研究部理学系, 教授 (60222303)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中町 智哉 富山大学, 学術研究部理学系, 講師 (30433840)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 生得的行動 / 体色調節 / キンギョ / α-MSH / 情動行動 / MC4受容体 |
Outline of Annual Research Achievements |
多くの動物では、内分泌系や神経系の作用によって体色を環境に合わせて変化させて獲物を捕らえたり捕食者から逃れたりしている。興味深いことに、申請者は、摂食・情動行動を制御する脳ペプチドが体色を調節するホルモンあるいは神経伝達物質としても機能することを見出してきた。しかしながら、脳ペプチドによる行動と体色調節の制御機構の実体は不明である。本研究の目的は、脳ペプチドによる生得的行動(摂食・情動行動)と体色調節の協調的制御機構の実体を明らかにすることである。本年度において、[1] 行動と体色に及ぼす脳ペプチド投与の影響、[2] 行動と体色を制御する中枢領域の同定、[3] 脳、下垂体および色素胞における遺伝子発現動態の解析と色素胞の機能解析、[4] 下垂体中葉ホルモンの分泌に及ぼす脳ペプチドの影響解析に関する実験を進めた。特に項目[1]と[2]について重点的に実験を実施した結果、α-黒色素胞刺激ホルモン(α-MSH)の中枢作用として新たに情動行動に影響を及ぼし、不安様行動を惹起させる作用を有することを見出した。また、α-MSHと成功行動制御に関わるGABA作動性及びモノアミン作動性ニューロン群との形態学的関係について精査したところ、これらの神経基盤を見出しつつある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた実験項目[1]、[2]、[3]及び[4]について概ね順調に実験を進めることが出来き、特に[1]と[2]については原著論文の公表及び投稿準備中となったデータを得ることが出来た。
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Strategy for Future Research Activity |
申請書に記載の通り、実験項目[1]、[2]、[3]及び[4]に関する実験を継続して実施する。また、α-MSHの新たな中枢作用の経路として末梢に由来する経路の存在を示唆するデータを得ており、来年度(令和4年度)の研究では、この点についても精査する予定である。
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Research Products
(16 results)