2021 Fiscal Year Annual Research Report
The neural mechanism of patience brought about by confidence that "behavior changes when the mind changes"
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21H02530
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Research Institution | Okinawa Institute of Science and Technology Graduate University |
Principal Investigator |
宮崎 佳代子 沖縄科学技術大学院大学, 神経計算ユニット, グループリーダー (80426577)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | セロトニン / 将来報酬 / ファイバーフォトメトリー / 確信 |
Outline of Annual Research Achievements |
私はこれまで取り組んできたセロトニンの研究から、不確実な将来報酬を待つ間に背側縫線核セロトニン神経活動を活性化させることで、報酬が得られる内的な確信が高まる=こころに「楽観」が生じ、その結果マウスがより待てるようになるのではないかと考えている。そこでセロトニンは「将来報酬の内的な確信度をコードする」という新たな仮説を立て、本研究でこの神経メカニズムの解明を目指す。 R3年度には主に以下の2つの実験で、報酬待機行動中のマウス脳の注目部位から神経活動記録を行った。 1.ファイバーフォトメトリーの手法を用いた背側縫線核セロトニン神経活動記録 2. ファイバーフォトメトリーの手法を用いた上記神経投射先(前頭眼窩野、内側前頭前野)活動記録 この結果1で実際に将来報酬確率に応じてセロトニン神経活動が変化することが確認された。この結果は申請者の仮説を十分に支持する重要な成果と言える。2では今後さらに記録の精度を高める改善を進める。 変化する環境の中で待つ行動が報酬に結び付く場合、時間的な辛抱強さが獲得のカギとなるが、セロトニン神経はどのようなダイナミクスでこれを制御するのか? そのメカニズムに迫る本研究は、これまで謎が多いとされてきたセロトニンが私たちの心と行動にどのように関わるのかを知る上で重要な手掛かりとなる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ファイバーフォトメトリーの手法で背側縫線核セロトニン神経活動を精度良く記録できるようになったこと。
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Strategy for Future Research Activity |
背側縫線核セロトニン神経活動記録の継続 現在順調に進んでいる背側縫線核セロトニン神経活動記録の実験を来年度完了する。並行して実験結果の解析を進める。 投射先でのセロトニン神経活動記録 遅延報酬待機課題における前頭眼窩野と内側前頭前野それぞれに投射するセロトニン神経は異なる出力をしている可能性が示唆される。実験では遺伝子改変マウスの前頭眼窩野と内側前頭前野にそれぞれ光ファイバーを埋め込み、各脳領域での活動表現の違いについて調べる。
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