2023 Fiscal Year Annual Research Report
Verification of the subfunctionalization hypothesis in paralogous genes by engrafting cis-regulatory elements
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21H02543
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
隅山 健太 名古屋大学, 生命農学研究科, 教授 (00370114)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | エンハンサー / Dlx遺伝子群 / ゲノム編集 / エンハンサーノックイン / 進化 |
Outline of Annual Research Achievements |
ゲノム編集によりDlx5-6遺伝子クラスターの鰓弓エンハンサーを欠損させたマウスでは下顎が上顎化する表現型が観察された。Dlx5遺伝子にSNPをノックインしたマウスとDlx56鰓弓エンハンサー欠損マウスを交配し、Accu-cis法により胎児から抽出したトータルRNAによりRNA-seq解析を行った。Dlx5遺伝子のトータル発現量を上記のノックインSNPを含むリード数の割合で計算し、それぞれのアレルの発現量を定量的に算出した。その結果、エンハンサー欠失によりDlx5の鰓弓発現は半分程度に落ちていることが確認された。RNA-seq解析の結果、Dlx56鰓弓エンハンサー欠損ホモ接合体ではDlx5およびDlx6遺伝子の発現が野生型と比べ約75%低下し、Pitx1やHand2などの下顎の発達に重要な遺伝子の発現も有意に低下した。さらにDlx5に制御されるDlx3-4遺伝子の発現が野生型の10%以下に低下した。以上の結果から、Dlx56鰓弓エンハンサーは下顎の発達に必須の役割を持っていることが明らかとなった。また同様の手法により、Dlx3遺伝子にSNPを導入したマウスとDlx56鰓弓エンハンサーをDlx3-4遺伝子クラスターにノックインしたマウスの解析を行い、Dlx56鰓弓エンハンサーノックインにより、Dlx3発現量が2倍程度上昇することが確認された。Dlx56鰓弓エンハンサー欠損マウスとDlx56鰓弓エンハンサーをDlx3-4遺伝子クラスターにノックインしたマウスの交配を行い、両ホモ接合のマウスを得た。このマウスでは下顎が上顎化し産後致死となるDlx56鰓弓エンハンサー欠損マウスの表現型がレスキューされており、繁殖も可能で系統化に成功した。現在このマウスの遺伝子発現解析および形態の詳細な解析を進めている。以上によりエンハンサー統合によるパラログ機能移植が可能であることが示された。
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Research Progress Status |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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