2023 Fiscal Year Annual Research Report
グッピーにおける色彩装飾形質の進化:csf1r遺伝子に着目して
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21H02558
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
河田 雅圭 東北大学, 高度教養教育・学生支援機構, 総長特命教授 (90204734)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 性選択 / グッピー / 色彩形質 |
Outline of Annual Research Achievements |
グッピーのオスは黒や青、白、オレンジ色といった鮮やかな体色をもち、メスはオレンジスポットを重視して配偶者を選択する。ゲノムワイド関連解析により、オレンジ面積や位置と相関する一塩基多型 (SNP) の検出を試みた。オス85個体の全ゲノム配列から検出した1,030,414 SNPの中で、各個体の体表の画像から測定したオレンジ面積・位置と強く相関するSNPを特定した。その結果、面積と相関するSNPは常染色体の22番染色体に、位置と相関するSNPについては性染色体の12番染色体上に集中して位置することが明らかになった。オレンジ位置は性染色体を介して父から息子へ遺伝するという先行研究が裏付けられた一方、オレンジ面積とは異なる遺伝的制御を受ける可能性が示された。また、Csf1シグナル伝達阻害剤を用いて、Csf1シグナル伝達と橙斑の関係を調べた。Csf1シグナル伝達阻害剤を投与すると、オレンジ色の斑点の面積と彩度が有意に減少し、投与を中止するとオレンジ色が回復したことから、オレンジ色の斑点はCsf1シグナル伝達活性を反映している可能性が示唆された。また、Csf1シグナル伝達阻害群と対照群の皮膚トランスクリプトームを比較した結果、Csf1シグナル伝達活性によるオレンジ色の変化は、キサントフォアの数や色素量の変化によるものであることが示された。また、Csf1シグナル伝達阻害剤を投与したグッピーと投与していないグッピーを、グラム陰性細菌の外膜構成成分であるリポ多糖(LPS)に曝露した。皮膚トランスクリプトーム解析の結果、細菌感染に応答する遺伝子のうち、Csf1シグナル伝達活性に関連する遺伝子が検出された。検出された遺伝子は、免疫細胞の活性化や病原体認識を制御することが知られており、Csf1シグナルが免疫細胞の活性化や病原体認識を促進し、グラム陰性菌に対する防御を強化する可能性が示唆された。
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Research Progress Status |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(1 results)