2022 Fiscal Year Annual Research Report
Rapid trait evolution of plants under anthropogenic impacts and its spillover effects on communities
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21H02559
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
深野 祐也 千葉大学, 大学院園芸学研究院, 准教授 (70713535)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
立木 佑弥 東京都立大学, 理学研究科, 助教 (40741799)
内田 圭 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 助教 (40747234)
白澤 健太 公益財団法人かずさDNA研究所, 先端研究開発部, 室長 (60527026)
矢守 航 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 准教授 (90638363)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 適応進化 / 都市化 / 群集 / ヒートアイランド |
Outline of Annual Research Achievements |
都市と農地はわれわれの社会が存続する上で必須の人為環境であり、地球の陸地の14%を占める広大なハビタットである。しかし、その環境に生育する生物がどのように適応進化し、どのように生態的な相互作用が形作られているかは、森林や草地などの自然環境と比べてほとんどわかっていない。都市と農地は土壌や水分条件など、しばしば対照的な環境を持つが、同じ植物種が分布していることがある。これらの植物種では強い分断化選択が生じていると予想されるため、都市と農地において急速に適応的分化が進んでいる可能性がある。そして急速に生じる適応進化は、都市・農地の生態系に大きな影響力を持つかもしれない。本申請課題では、都市と農地という人為環境下で、植物がどのように適応進化しているのか、その進化にはどんな生理的・遺伝的基盤が関わっているのか、そして急速な進化は都市と農地の生態学的な相互作用にどのように波及するのかという点を明らかにする。
本年度は、主に2つの実験に注力した。まず、都市と農地で草姿と競争能力が明確に異なるオヒシバをつかい、この形質が草地群集にどのように波及するかを検証した。野外実験の結果、都市の匍匐型を植えた場合と農地の直立型を植えた場合で、自身の適応度だけでなく、周囲の優占種の被度や種間相互作用、種の多様性まで影響することがわかった。また、ヒートアイランドに対する適応を調べるため、カタバミのサンプリングと野外調査を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の目標通り、進化を解明するだけでなく、進化の波及効果を検証出来た。また、ヒートアイランドという新規の選択圧に着目した研究もまとまりつつある。
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Strategy for Future Research Activity |
論文としての出版を迅速に進めるとともに、並行してオヒシバやカタバミの研究も推進する。
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