2021 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21H02573
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
木村 亮介 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (00453712)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 丈寛 金沢大学, 医学系, 助教 (10558026)
山口 徹太郎 神奈川歯科大学, 大学院歯学研究科, 教授 (40384193)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 顔面形態 / 多型 / ゲノムワイド関連解析 / 復顔 / 進化 |
Outline of Annual Research Achievements |
1)三次元顔面骨形態のゲノムワイド関連解析: 琉球大学病院でPET-CT検査を受けた患者780名を対象とし、インフォームドコンセントのもと、画像データと試料を取得した。CT画像を用いて下顎を除いた頭蓋顔面にセミランドマークを発生させ、幾何学的形態測定法を用いた形態解析を行った。プロクラステス解析による重ね合わせののち、顔面領域のセミランドマークのみを抽出して、主成分分析を行なった。形態を表す主成分(PC1からPC10まで)を目的変数、年齢、性別、身長、体重、ゲノムの主成分分析で得られた主成分(gPC1、gPC2)を共変数としてゲノムワイド関連解析を行った。いずれの形態成分においてもゲノムワイド有意水準(P<5×10-8)を満たすSNPはみられなかった。P<1.0×10-6を満たすSNPについて近傍の遺伝子を調べたところ、骨や軟骨の形成に関与する遺伝子がみられた。 2)頭蓋骨縫合形質のゲノムワイド関連解析: コンピュータ断層撮影(CT)画像818人分について、前頭縫合、頭頂間骨およびラムダ縫合小骨の有無を目視で判定し、ゲノムワイド関連解析を行った。ロジスティック回帰分析によって、性別、年齢、身長および体重が縫合形質に関連がないことを確認した上で、マイクロアレイを用いてタイピングされたSNPと縫合形質との関連をカイ二乗検定によって調べた。有意水準(P<5×10-8)を満たすSNPにおいて近傍の遺伝子を調べたところ、前頭縫合については骨形成や縫合形成において機能をもつ遺伝子を特定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定通り研究が進捗している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はサンプル数を増やすなど検出精度を高めるとともに、顔面の骨形態や縫合のバリエーションが生まれる機序および縫合形成・消失のメカニズムを詳細に解き明かす必要がある。
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