2021 Fiscal Year Annual Research Report
Sexual representation of social memory in the hippocampus
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21H02593
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
奥山 輝大 東京大学, 定量生命科学研究所, 准教授 (80625955)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 社会性記憶 / 海馬腹側CA1ニューロン / 性 / 行動神経科学 / 神経生理学 |
Outline of Annual Research Achievements |
今日の社会記憶研究の多くは、オスマウスが既知のオスに比べて新奇なオスに対してより多くの社会行動を示す習性を利用している。しかしながら、オスマウスにとってメスは生得的に報酬性の高い刺激であることから、記憶の有無による社会行動の調節が十分に行われず、メスに関する社会記憶に寄与する神経メカニズムを明らかにする研究は十分な発展が得られずにいた。そのような現状において、オスマウスの性行動の1つである超音波発声に注目し、オスマウスが記憶に依存した社会行動の調節を示す行動実験系の立ち上げに成功、オスマウスが新規なメスに比べ既知のメスに対してより少なく行われることを明らかにした。さらに、そのような記憶に依存した超音波発声の減少は、数分で記憶したのちに短いインターバルを挟んでメスと再会する短時間記憶課題と2時間で記憶したのちに長いインターバルを挟んで再会する長時間記憶課題の両者において観測されることを見出した。側坐核(NAc)におけるCaMK2陽性細胞(NAc-CaMK2)、Drd1陽性細胞(NAc-Drd1)、およびDrd2陽性細胞(NAc-Drd2)の活性を抑制するとともに、メスを用いた短時間または長期時間記憶課題を行うことで、NAc-CaMK2は短時間および長時間記憶課題のいずれにも寄与しておらず、NAc-Drd1およびNAc-Drd2は長時間記憶課題の記憶に依存した超音波発声の減少に関与することを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
上記の記載の通り、当初の計画以上の速度で行動実験系の立ち上げ、および、標的神経細胞の絞り込みに成功した。
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Strategy for Future Research Activity |
海馬腹側CA1ニューロン、および、側坐核ニューロンを中心に神経生理学的解析を深める。
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