2021 Fiscal Year Annual Research Report
Creating a new drug discovery platform using alfa-amino acids with alfa,beta-continuous tetrasubstituted carbon
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21H02607
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
大嶋 孝志 九州大学, 薬学研究院, 教授 (10313123)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢崎 亮 九州大学, 薬学研究院, 助教 (70635812)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 連続四置換型非天然アミノ酸 / 中分子ペプチド / ラジカルクロスカップリング / N-無保護ケチミン / PPI阻害剤 |
Outline of Annual Research Achievements |
α,β-連続四置換型非天然アミノ酸含有ペプチドを用いた新規中分子創薬を行うために、その効率的かつ網羅的な合成法の開発を行なっている。R3年度の研究では①アミノ酸Schiff塩基のtert-ラジカルクロスカップリング、②N-無保護ケチミンの分子内環化反応の検討を行った。①に関しては、ラジカル安定化効果を有しない炭化水素を基質とする、銅触媒によるラジカル-ラジカルカップリング反応の開発に成功し、多様なα,β-連続四置換型非天然アミノ酸を合成した。本反応では、クメン、トルエン、シクロアルカンなどの汎用性の高い炭化水素を原料として用いることができ、また、アミノ酸Schiff塩基のtert-ラジカルとのカップリング相手として、第三級ラジカル以外に、第二級ラジカル、第一級ラジカルも利用できるため、多様なα,β-連続四置換型非天然アミノ酸誘導体を合成することができる。②に関しては、二官能基型不斉有機触媒を用いることで、Strecker型の触媒的不斉反応の開発に成功した。また、①の研究の過程で、α位がアルキル基で置換された基質を用いると、α,β-不飽和結合へと酸化され、続くラジカルの1,4-付加反応によってβ位に多様なアルキル基を導入できることを見出した。さらに、合成した非天然アミノ酸をペプチド合成に汎用されるFmocアミノ酸に変換し、液相法および固相法により、非天然アミノ酸含有ペプチドを合成しライブラリー構築を行なった。その結果、α位の立体によってαヘリシティーが変化し、適切な立体を持つα,β-連続四置換型非天然アミノ酸を導入することでαヘリシティーが向上することを実験的に証明した。さらなるペプチドライブラリーの構築を継続して行なっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本申請課題の実施計画に示した①アミノ酸Schiff塩基のtert-ラジカルクロスカップリング、②N-無保護ケチミンの分子内環化反応の両方において、新規の触媒反応の開発に成功し、それぞれ論文発表を終えている。また、①の検討は予期せぬ新反応の発見につながり、これまで例のないβアルキル化反応の開発にも成功し、アミノ酸関連のケミカルスペースの拡張に大きく貢献することができた。また、合成した非天然アミノ酸を組み込んだペプチドライブラリーの構築も進んでおり、中分子PPI阻害剤として重要なαヘリシティーの安定化効果も実証することができた。以上の観点から、(1)当初の計画以上に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
R4年度以降も、引き続き①アミノ酸Schiff塩基のtert-ラジカルクロスカップリング、②N-無保護ケチミンの分子内環化反応の検討、そしてα,β-連続四置換型非天然アミノ酸含有ペプチドのライブラリーを構築し、中分子PPI阻害剤開発の検討を行う。①に関しては、合成したα,β-連続四置換型非天然アミノ酸含有ペプチドの生物活性の結果をもとに、非天然アミノ酸の導入位置の検討、そして置換基のサイズのチューニングを行い、さらなる生物活性の向上に努めるとともに、α,β-不飽和型非天然アミノ酸など、ペプチドの配座に影響を与える新たな非天然アミノ酸の合成手法の検討を行う。②に関しては、N-無保護ケチミンに対する求核剤の適応拡大を行うとともに、原料となるN-無保護ケチミンの環境調和型の合成法の開発、さらにはワンポット合成による実用的な非天然アミノ酸の供給法の開発も検討する。
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Research Products
(47 results)