2022 Fiscal Year Annual Research Report
樹状細胞由来細胞外小胞の免疫機能の最大化並びに動態制御に基づくワクチン療法開発
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21H02616
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
高倉 喜信 京都大学, 薬学研究科, 教授 (30171432)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 有己 京都大学, 薬学研究科, 准教授 (00547870)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 細胞外小胞 / エクソソーム / 樹状細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
細胞から分泌されるエクソソームをはじめとした細胞外小胞(Extracellular Vesicles; EV)は、産生細胞に由来した物質を含有する内因性の物質輸送機構として機能している。樹状細胞(Dendritic cells; DC)由来のEVはDCに由来した種々の免疫関連分子を含むことから抗原特異的な免疫応答の誘導を可能とするワクチン療法への応用が期待されている。これを実現するためには、抗原を搭載した高い免疫機能を有するEVの調製、また投与したEVの免疫機能を最大限に発揮させるための動態制御法の確立が必要であるが、いずれの課題も十分に解決されてはいない。本研究では、①高い免疫機能を有する抗原搭載DC由来EVの調製法の確立、②DC由来EVの免疫機能発現に適した動態特性を提供可能な動態制御法の開発を行い、開発した両技術を統合して、③高い免疫機能を有するDC由来EVの動態制御を基盤としたワクチン療法の開発を目指した。 本年度は、DC由来のEVの動態制御を可能とするゼラチン微粒子の調製について検討した。その結果、水相二相分離法にて、メタクリル酸修飾したゼラチンエマルジョンの作成時にEVを添加しておくことで、EVを含有する微小液滴の調製が可能であり、さらにこれにUVを照射することでメタクリル酸の架橋によるゼラチン微粒子の形成と、それへのEVへの搭載が可能であった。さらにゼラチン微粒子に搭載されたEVは、微粒子から1週間ほどかけて徐放された。以上、EVの徐放を可能とするゼラチン微粒子の調製法の確立に成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
以上のようにDC由来EVの徐放を可能とするゼラチン粒子の調製に成功したことから、順調に研究は推移した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、DC由来のEVを搭載したゼラチン粒子の体内動態の詳細について検討するとともに、そのin vivo投与後の動態の評価と免疫誘導の可能性についての検証を行う。
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Research Products
(1 results)